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みみ、子どもの病気

中耳炎でプールはいつからOK?急性・滲出性・慢性の種類別に解説

夏になるとプールや水遊びに出かける機会が多くなります。中耳炎の治療中のお子さんを持つパパやママにとって、「プールに入れてもいいのか」「いつから再開できるのか」は気になるところです。

結論からお伝えすると、中耳炎でも種類や症状の状態によってはプールに入れます。

ただし種類によって判断基準が異なるため、正しい知識を持った上で医師に確認することが大切です。

この記事では、中耳炎の種類別にプール利用の可否と再開の目安、注意点について耳鼻咽喉科の医師が解説します。

お子さんの耳の治療中にプールを控えるべきか迷っているパパやママはぜひご覧ください。

プールの水が耳に入っても中耳炎にはならない

「子どもがプールから帰ってきたら、翌日に中耳炎と診断された。プールが原因では?」

このような経験をしたパパやママは少なくありません。しかし、通常の状態であれば、プールの水が耳に入っただけで中耳炎になることはないのです。

耳の穴(外耳道)の奥には鼓膜があります。鼓膜は外耳と中耳を仕切る膜で、プールの水はこの鼓膜より奥には入れない仕組みになっています。

水遊びやシャワー程度では、中耳まで水が届くことはありません。

中耳炎の主な原因は「鼻」です。以下のような流れで、菌やウイルスが中耳へ侵入します。

中耳炎が起こる流れ
  1. 風邪や感染症で鼻水が出る
  2. 鼻と耳をつなぐ耳管を通じて菌やウイルスが中耳へ侵入する
  3. プールで鼻に水が入ると鼻炎がさらに悪化する
  4. 菌を含んだ鼻水が耳管を通って中耳に届きやすくなる

そのため、治療中のプールを控えるよう指導されることもあります。加えて、プールで体力を消耗したり体が冷えたりすると治りが遅くなります。

塩素が鼻や喉の粘膜を刺激し、炎症を長引かせる点も注意が必要です。

ただし、例外があります。耳だれが出ているときや、治療で鼓膜を切開した後などは、鼓膜に穴が開いた状態です。

鼓膜に穴が開いている場合、プールの水が中耳に直接入り込み、菌が侵入して症状が悪化するリスクが生じます。

穴が開いた状態では「耳に水を入れない」という観点でもプールを控える必要があります。

中耳炎のときにプールを控えるべき理由は「水が耳から入るから」だけではなく、鼻・体力・塩素・鼓膜の状態など、複数の要因が関係しているのです。

中耳炎でプールに入れるかは種類と症状で決まる

種類 プールの可否 主な条件
急性中耳炎 発症後1~2週間はNG 耳痛・発熱・耳だれ・黄色い鼻水が治まり、医師が鼓膜の回復を確認してから
滲出性中耳炎 医師の許可があればOK 鼻水の状態次第。潜水・飛び込みは避ける
慢性中耳炎 耳栓必須でOK 耳漏(耳だれ)が多量のときはNG

種類ごとの詳細を以下で確認しましょう。

急性中耳炎:発症後1~2週間はプールを控える

急性中耳炎は、風邪や感染症の菌・ウイルスが耳管を通じて中耳に侵入し、炎症を起こす病気です。3歳までに5~7割の子どもが少なくとも1回は発症するといわれています。

発症直後は耳の痛みや発熱を伴うため、1~2週間はプールを控える必要があります。

「熱が下がった」「痛みがなくなった」という状態でもすぐにOKとはなりません。

鼻水に色が付いているときは、菌やウイルスがまだ体内に残っているサインです。黄色い鼻水が続く状態でプールに入ると、再発や症状悪化のリスクが高まります。

プールを再開するには、医師の診察で鼓膜の赤みや腫れが引いていることを確認してもらいましょう。

症状が落ち着いてきたと感じたら、自己判断せずにかかりつけの耳鼻咽喉科を受診してください。

滲出性中耳炎:医師の許可があればプールはOK

滲出性中耳炎は、副鼻腔炎やアデノイドなどが原因で耳管が狭くなり、中耳に液体(滲出液)が溜まる病気です。

急性中耳炎とは異なり、鼓膜の炎症や耳の痛みといった自覚症状がほとんどありません。

医師が鼓膜や鼻の状態を確認して問題がなければ、プールへの参加が許可されることが多いです。

耳や鼻の状態によっては禁止を指示される場合もあるため、必ずかかりつけの耳鼻咽喉科に確認しましょう。

治療の一環として鼓膜チューブを留置している場合は、担当医と相談のうえ耳栓の使用を検討してください。

チューブ留置中にプールに入る場合は、以下の点に注意しましょう。

  • 潜水・飛び込みは避ける
  • 顔を水につける時間はできるだけ短くする
  • プールから上がったら、耳の入口をやさしく拭いて乾かす

耳栓だけで水の侵入を完全に防ぐことは難しく、動いている間にずれて隙間から水が入ることや、潜水・飛び込みの水圧で水が押し込まれる恐れがあります。

慢性中耳炎:耳栓をすればプールはOK

慢性中耳炎は、急性中耳炎を繰り返したり治療が不完全なまま長引いたりすることで、鼓膜に穴が開いてしまう病気です。

鼓膜に穴が開いているため、外耳から中耳に菌やウイルスが侵入しやすく、慢性的な炎症が続きます。

耳の痛みや発熱はないため、耳栓をすれば基本的にプールへの参加は可能です。

ただし、症状が悪化して耳漏(耳だれ)が多量に出ているときはプールを控えてください。耳漏は中耳炎が悪化しているサインです。

プール再開の4つのチェックポイントを確認しよう

「症状が落ち着いてきたけれど、本当にプールに入れていいのかわからない」というパパやママのために、プール再開の目安をチェックリスト形式でまとめました。

以下の4つがすべて揃ったら、かかりつけの耳鼻咽喉科に相談してみましょう。

  • 耳の痛みがなくなっている
  • 平熱に戻っている(発熱がない)
  • 耳だれが止まっている
  • 鼻水が透明または少量になっている

4つすべてが揃っても、最終的な判断は医師の診察によって行われます。鼓膜の回復を確認しないまま再開すると、症状が再燃する恐れがあるため注意が必要です。

鼓膜切開後のプール再開時期

急性中耳炎の治療で鼓膜を切開した場合、切開した鼓膜は通常1週間ほどで自然に再生します。再生するまでの間は鼓膜に穴が開いた状態になるため、プールは控えてください

1週間が経過した後も、医師が鼓膜の回復を確認してからプールを再開するのが基本です。

スイミングスクールに通っている場合の対応

習い事としてスイミングスクールに通っているお子さんは、中耳炎の治療中に何日休ませるか迷うことがあります。

基本的には、医師からプール再開の許可が出るまでスイミングスクールも休むのが原則です。

治療の妨げにならないよう、以下の流れで対応することをおすすめします。

スイミングスクール再開までの流れ
  1. 受診時に「スイミングスクールに通っている」と医師に伝え、再開の目安を確認する
  2. スイミングスクールのコーチに中耳炎治療中であることを事前に連絡する
  3. 医師の許可が出てから再開する

スイミングスクールを何日休むかは症状の程度や回復の速さによって異なるため、「○日休めばOK」と一概には言えません。担当医と相談しながら判断してください。

中耳炎でプールに入るときの4つの注意点

急性中耳炎以外の中耳炎で医師からプールの許可が出た場合でも、症状を悪化させないためにいくつか守ってほしいことがあります。

潜水と飛び込みは避ける

潜水や飛び込みをすると水圧がかかり、外耳道からプールの水が押し込まれやすくなります。

鼓膜チューブを留置している場合や鼓膜に穴が開いている慢性中耳炎では、プールの水が中耳に直接入り込む点に十分注意が必要です。

プールに入るときは水面での遊びにとどめ、潜水・飛び込みはしないよう子どもに事前に伝えておきましょう。

耳栓を使用する

潜水しないよう伝えても、遊びに夢中になって忘れてしまう子どもは少なくありません。足を滑らせて意図せず水中に沈んでしまうこともあります。

耳栓を使用することで外耳道への水の侵入リスクを減らせます。ただし、耳栓だけで完全に水の侵入を防げるわけではないため、耳栓の使用と同時に潜水・飛び込みを避けることがセットです。

医療用の耳栓としてイヤーパティ(高研)もあります。あだち耳鼻咽喉科でも取り扱っておりますので、お気軽にご相談ください。

海や川での水遊びは避ける

プールの水は塩素系消毒剤による管理とろ過・循環が行われており、菌の数が一定以下に抑えられています。

一方、自然の水(海・川・湖)には衛生管理がなく、感染リスクの高い菌やウイルスが混在しているのが実情です。

中耳炎の治療中は、海水浴や川遊びなどプール以外の水遊びはできるだけ控えるようにしましょう。

プールから上がったら耳をやさしく乾かす

プールから上がった後は、耳の入口をやわらかいタオルでやさしく押さえて水気を取ってください。綿棒で耳の奥をぬぐうと外耳道を傷つける恐れがあるため避けましょう。

ドライヤーを使う場合は冷風を20~30センチほど離して耳に軽く当ててください。温風は耳の粘膜を刺激する恐れがあるため、冷風を使うのがポイントです。

こんな症状があるときはプールを休む

医師からプールの許可が出ていても、その後の体調や症状の変化によっては休む必要があります。

以下の症状が出ているときはプールを控え、早めに耳鼻咽喉科を受診してください。

黄色や緑色の鼻水が出ている

透明でさらさらした鼻水であれば問題ありませんが、黄色や緑色の鼻水が出ているときは細菌感染が続いているサインです。

鼻水が黄色や緑色の状態でプールに入ると、菌を含んだ鼻水が耳管を通じて中耳に侵入しやすくなり、中耳炎が悪化する恐れがあります。

鼻水の色だけでなく量も確認しましょう。透明であっても大量に出ているときは、鼻の炎症が続いている可能性があります。

耳の痛みを訴えている

耳の痛みは急性中耳炎の典型的な症状です。治療中に再び耳が痛くなったときは、中耳炎が再燃または悪化している可能性があります。

耳の痛みがある状態でプールに入ると症状がさらに悪化するリスクがあるため、痛みが出たらすぐにプールを休んで受診してください。

耳だれ(耳漏)が出ている

耳だれは中耳の炎症が悪化しているサインです。耳だれが出ているときは鼓膜に穴が開いた状態になっていることが多く、プールの水や菌が中耳に直接入り込む恐れがあります。

耳だれが治まるまでプールは控え、かかりつけの耳鼻咽喉科を受診しましょう。

スイミングスクールを休ませる目安

習い事のスイミングスクールについては、上の3つの症状が1つでも出ているときは休ませてください。

「友達と約束している」「大会が近い」などの事情があっても、無理をして参加すると治療が長引く恐れがあります。

教えて院長先生!よくある質問Q&A

中耳炎と子どものプール利用について、よくある質問とその回答を院長先生が回答いたします。

プールやお風呂で耳に水が入ったら中耳炎になりますか?

鼓膜の手前に水分がとどまるだけですので、鼓膜に穴があいていなければ中耳炎にはなりません。

プールやお風呂に入った水は放置しても問題ないですか?耳鼻咽喉科へいく目安を教えてください。

長い間そのままにしておくと炎症を起こすことがあるので、耳鼻咽喉科で吸引してもらう必要があります。ご自宅ではティッシュでこよりをつくって、そっと耳の奥まで入れることで、吸収される場合もあります。

まとめ

中耳炎の治療中でも、種類や症状の状態によってはプールに入れます。

ただし「症状が落ち着いたから大丈夫」と自己判断するのではなく、医師の確認を取ってから再開することが大切です。

まとめ
  • 急性中耳炎は発症後1~2週間はプールを控え、医師が鼓膜の回復を確認してから再開する
  • 滲出性中耳炎・慢性中耳炎は医師の許可のもと、耳栓を使用しながらプールに入れるケースがある
  • 耳の痛み・発熱・耳だれ・黄色い鼻水が出ているときはプールを休んで耳鼻咽喉科を受診する

子どもにとってプールは夏の大きな楽しみです。耳の状態をしっかり確認しながら、できる限り楽しい夏を過ごせるよう、耳鼻咽喉科と相談しながら治療を進めましょう。

福岡市東区名島で中耳炎の治療中にプールの利用可否でお悩みの方は、あだち耳鼻咽喉科へお気軽にご相談ください。

お子さんの耳の状態を確認し、プールの再開時期や注意点について丁寧にご説明します。

ABOUT ME
【執筆・監修】医療法人あだち耳鼻咽喉科 院長 安達一雄
日本耳鼻咽喉科学会 / 専門医・指導医 身体障害者福祉法第15条指定医
補聴器認定医 / 補聴器適合判定医 / 九州大学耳鼻咽喉科 特任助教
国際医療福祉大学非常勤講師