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はな、みみ

気象病とは?気圧変化によって起こるめまいや鼻炎の症状や対策を解説

曇りの日はめまいがする」「天気が悪くなると鼻水が出る」

天気の変化による頭痛や耳・鼻の不調には、気象病が関係していることがあります。

ウェザーニュースの「天気痛調査2025」(2025年、全国23,955人対象)では、7割近くの人が天気痛を自覚しており、9割以上が仕事や勉強の効率低下を実感しているとわかりました。

症状が軽くても、繰り返すことで日常生活への影響は小さくありません。

この記事では、気象病とは何か、耳鼻咽喉科に関わる症状とメカニズム、自分でできるセルフケア、病院受診の目安について耳鼻咽喉科の医師が解説します。

天気の変化で体調が崩れやすいとお悩みの方はぜひご覧ください。

気象病は低気圧や寒暖差で起こる心身の不調のこと

気象病とは、気温・気圧・湿度などの気候変化によって引き起こされる、さまざまな心身の不調の総称です。

医学的な正式病名ではありませんが、身近な症状として多くの人が経験しています。

ウェザーニュースが2025年に全国23,955人を対象に実施した天気痛調査によると、「天気痛持ち」と回答した人は35%、「持っている気がする」と回答した人は33%で、合わせて7割近くが天気痛の症状を自覚していることがわかりました。

また、仕事や勉強の効率低下を実感している人は9割以上にのぼり、症状が軽くても生活への影響は小さくありません。

症状が出やすいのは、気圧が大きく変動する時期です。

  • 梅雨の時期(低気圧が続く)
  • 台風の接近・通過時
  • 季節の変わり目(寒暖差が激しい時期)

このような時期に「天気が悪くなるとめまいがする」「低気圧が近づくと鼻水が止まらない」といった症状が繰り返して出る場合は、気象病が疑われます。

気象病の症状は軽度で済むことが多いですが、めまいや鼻づまりが強く出ると日常生活に支障が出ることもあります。我慢せず耳鼻咽喉科を受診しましょう。

気象病で現れやすい耳鼻咽喉科の症状

気象病は頭痛やだるさなど全身に症状が出ますが、耳鼻咽喉科に関係する症状も少なくありません。気圧の低下や気温の急変によって内耳や粘膜に影響が及ぶことで、以下のような症状が現れます。

めまい・耳の症状

内耳は気圧変化を感じ取るセンサーの役割を持つ器官です。

気圧が低下すると内耳が変化を感知し、目からの視覚情報とのズレが生じることで脳が混乱。めまいや耳鳴り、耳の閉塞感が起こります。

急激な気温の低下によって全身の血管が収縮し、内耳への血流が低下することも原因のひとつです。

天気が崩れるたびにめまいが繰り返す場合は、耳鼻咽喉科での検査をおすすめします。

鼻水・鼻づまり

気圧変化によって自律神経が乱れると、アレルギー性鼻炎の症状が悪化しやすくなります。

花粉やほこりに対するアレルギーがない人でも、低気圧が近づくとくしゃみや鼻水、鼻づまりが出るのは、このためです。

低気圧や雨の日に限って鼻の症状が出るときは、気象病による影響を疑ってみてください。

寒暖差による喉・気道の症状

気温の寒暖差が大きくなり空気が乾燥してくると、喘息の急性増悪が起こりやすくなります。

もともと喘息や気道過敏がある方は、季節の変わり目や台風の時期に特に注意が必要です。

寒暖差によるアレルギー症状については、以下の記事をご覧ください。

寒暖差アレルギー(血管運動性鼻炎)の症状とは?何日で治るか・対策を耳鼻科医が解説この記事では寒暖差アレルギーの原因から症状、発症を抑えるための対策をわかりやすく解説します。...

気象病が起こるメカニズム

気象病は、自律神経の乱れによって気圧が変化したときに交感神経と副交感神経の切り替えがうまくできないことが原因で発症するといわれています。

気圧変化と健康な人の体の反応

気象病のメカニズムを理解するために、まず健康な人の体が気圧変化にどう対応するかを見てみましょう。

健康な人の体の反応
  1. 梅雨時期や台風接近などにより気圧が低下
  2. 低気圧により体内の血管が膨張
  3. 気圧の変化を内耳が感知し自律神経に伝える
  4. 低気圧に対応するため交感神経(興奮神経)が優位になる成分を分泌
  5. 交感神経により膨張した血管を収縮
  6. 交感神経が静まり血管が通常の大きさに戻る

心身が健康な状態では自律神経が正常に機能し、交感神経と副交感神経がうまく切り替わることで体の不調を回避できます。

気象病を発症しやすい人の体の反応

仕事や学校・家庭でのストレスが続くと、老若男女問わず自律神経が乱れやすくなります。

常に交感神経が優位な状態が続いている人は、気圧が低下したときに次のような反応が起こります。

気象病を発症しやすい人の体の反応
  1. 梅雨時期や台風接近などにより気圧が低下
  2. 低気圧により体内の血管が膨張
  3. 気圧の変化を内耳が感知し自律神経に伝える
  4. 交感神経が優位な状態にもかかわらず低気圧に対応するためさらに交感神経(興奮神経)が優位になる成分を分泌
  5. 血管が過剰に収縮し頭痛やめまい、難聴の症状があらわれる

自律神経が乱れると低気圧で血管が膨張しても交感神経が優位にならず、鼻粘膜や喉の粘膜が腫れたままになることもあります。

その結果、鼻水や鼻づまりといった症状があらわれます。

気象病になりやすい人の特徴

気象病の発症原因とされる自律神経の乱れは、老若男女問わず全世代で起こります。

そのため気象病は子どもから大人まで誰でも発症するリスクがありますが、なかでも発症しやすい特徴があります。

特徴理由
男性よりも女性の発症リスクが高い女性ホルモンの変動が自律神経のバランスに影響を及ぼしやすい
若年者は頭痛、高齢者は関節痛を訴えやすい若年者は内耳の感覚が敏感で自律神経の影響を受けやすい。高齢者は関節包が膨張しやすく関節痛が出やすい
PMS(月経前症候群)や更年期障害があるホルモンバランスの乱れに伴い自律神経も不安定になり症状が悪化しやすい
乗り物酔いしやすい内耳や自律神経が敏感で小さな刺激にも反応しやすく、めまいや頭痛が起こりやすい

これらは体質的な感受性の違いによるもので、生活習慣やストレスの影響も症状の出やすさに関係しています。

特徴に当てはまる場合でも、自律神経を整える生活習慣の見直しや適切な治療で症状を和らげることが可能です。

耳鼻咽喉科を受診する目安

気象病の症状は軽度で済むことも多いですが、天気が崩れるたびに症状が出ると日常生活に支障が生じます。以下のような状態が続く場合は、耳鼻咽喉科を受診してください。

こんな症状が続くときは受診を
  • 天気が崩れるたびにめまいや耳の閉塞感が出る
  • 低気圧が近づくと鼻水・鼻づまりが繰り返す
  • 頭痛や耳鳴りが週に2~3回以上起こる
  • 市販薬を飲んでも症状が改善しない

症状が軽くても「いつもと違う」と感じたら受診することをおすすめします。

気象病に似た症状でも、メニエール病や突発性難聴など別の疾患が原因になっている場合があるためです。

また、梅雨や台風シーズンが来る前に受診して薬を処方してもらうことも有効です。

めまいの持病がある方は、症状が出てからではなく予防的に内服を行うことで、悪化を防げるケースがあります。

天気の崩れによる体調不良を我慢する必要はありません。福岡市東区名島のあだち耳鼻咽喉科へお気軽にご相談ください。

気象病の症状を和らげるセルフケア5選

気象病の症状を緩和するには、乱れた自律神経を整えることが効果的です。すぐに始められるセルフケアを5つ紹介します。

耳のマッサージをする

気圧の変化を感じ取る内耳のセンサーは、血流が悪くなると過敏に反応しやすくなります。耳のマッサージで血流を促すことで、めまいや耳の閉塞感を和らげる効果が期待できます。

耳のマッサージ方法
  1. 両耳をつまんで横に5秒引っ張り、離す
  2. 耳たぶをつまんで軽く引っ張りながら前回り・後ろ回りに5回まわす
  3. 両耳をつまんで上下に5回引っ張る
  4. 耳の周りを指でやさしくもむ

力を入れすぎず、心地よい程度の強さで行いましょう。1日3回を目安に続けると効果的です。

規則正しい生活を送る

毎日同じ時間に起床・就寝する習慣をつけ、睡眠時間をしっかり確保しましょう。

朝起きたら軽いストレッチをして交感神経と副交感神経のバランスを整えるのも効果的です。

鉄分やマグネシウムが豊富な食事を心がけると、血流が改善し自律神経の安定につながります。

質の良い睡眠をとる

睡眠時間の長さだけでなく、質にも気を配ることが大切です。就寝前に副交感神経を優位にすることで、深い眠りにつきやすくなります。

  • 寝る直前のスマートフォンやパソコンのブルーライトを避ける
  • 寝る1~2時間前に湯船につかる
  • ゆっくりと深呼吸する

ストレスを適度に解消する

ストレスが続くと交感神経が常に優位になり、自律神経のバランスが崩れやすくなります。趣味やスポーツを生活に取り入れ、体と心の緊張をほぐしましょう。

深呼吸やマインドフルネスといったリラックス法も、自律神経を整えるのに効果的です。

気象病になりやすい時期を把握しておく

気象病は気圧や気温・湿度が大きく変わる時期に症状が出やすくなります。

梅雨・台風・季節の変わり目といった時期を事前に把握し、無理な予定を入れずゆっくり休める日を作るよう意識しましょう。

症状が出やすい時期の前に耳鼻咽喉科を受診して薬を処方してもらうことも、症状の軽減に役立ちます。

教えて院長先生!よくある質問Q&A

気象病についてよくある質問を院長先生にお答えいただきます。

天気が悪いと鼻づまりや耳の閉塞感などの気象病のような症状が出ますが、病院受診の目安はありますか?我慢していたら治りますか?

必ずしも気象と関係ない疾患の可能性もあります。いつもと違う症状があれば病院受診されることをおすすめします。

耳鼻咽喉科疾患はないのですが、台風接近や梅雨の時期の前に気象病対策として耳鼻咽喉科へ受診してもよいのでしょうか。

めまいの持病がある場合などは予防的に内服を行うことも、症状を悪化させないためにも意味があると考えます。

ですのでそのような場合には耳鼻科受診をおすすめいたします。

まとめ

気象病は天気の変化によって起こるさまざまな体調不良の総称です。

自律神経が乱れている人が発症しやすく、気圧が低下したときに交感神経と副交感神経の切り替えがうまくできないことで、めまいや頭痛、鼻水といった症状が生じます。

まとめ
  • 気象病は自律神経が乱れやすい人に起こりやすく、女性や乗り物酔いしやすい人は特に注意が必要
  • 耳の閉塞感・めまい・鼻水など耳鼻咽喉科に関わる症状も多い
  • 内耳が気圧変化を感知するため、耳のマッサージで血流を促すと症状が和らぐ

自律神経を整えるには時間がかかります。セルフケアを続けながら、梅雨や台風シーズンが来る前に耳鼻咽喉科を受診しておくことが症状の軽減につながります。

天気の崩れによる体調不良を我慢する必要はありません。

福岡市東区名島で気象病の症状にお悩みの方は、あだち耳鼻咽喉科へお気軽にご相談ください。気象病の症状を緩和するための薬の処方や生活改善のアドバイスをいたします。

ABOUT ME
【執筆・監修】医療法人あだち耳鼻咽喉科 院長 安達一雄
日本耳鼻咽喉科学会 / 専門医・指導医 身体障害者福祉法第15条指定医
補聴器認定医 / 補聴器適合判定医 / 九州大学耳鼻咽喉科 特任助教
国際医療福祉大学非常勤講師