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みみ

耳管狭窄症とは?放置するリスクや予防法を紹介

耳が詰まった感じや、ポコポコと音がして聞こえづらいと感じたことはありませんか?

それは耳管狭窄症のサインかもしれません。耳管狭窄症は、耳と鼻をつなぐ「耳管」が炎症などで狭くなるあるいは機能的に開くことができないことで起こる病気です。

放置すると中耳炎や聴力低下につながる恐れもあります。この記事では、耳管狭窄症の症状や原因、やってはいけないこと、治療法までわかりやすく解説します。

耳管狭窄症でやってはいけないこと

耳管狭窄症と診断されたら、以下の行為を控えましょう。

  • 力任せに鼻をかむこと
  • 鼻をすすること
  • 自己流での耳抜き
  • 飛行機への搭乗

耳管狭窄症になると、耳が詰まったような閉塞感を感じます。

耳管狭窄症による耳の詰まりを解消しようと、力任せに鼻をかむのは避けましょう。

強くかみすぎると、鼻の中の細菌やウイルスが耳管を通って中耳に送り込まれ、急性中耳炎を引き起こして症状を悪化させる恐れがあります。

鼻をすする行為も同様に厳禁です。中耳が陰圧になって鼓膜が凹み、滲出性中耳炎などの原因となります。

また、自己流で耳抜き(バルサルバ法)を繰り返すのも禁物です。鼻水が耳へ逆流するリスクがあるだけでなく、中耳の粘膜に負担をかけ、さらなる炎症を招くこともあります。

気圧変化の大きい飛行機への搭乗も、耳管狭窄の状態では激しい耳痛や鼓膜損傷につながる恐れがあるため注意が必要です。

まずは鼻の炎症を抑え、耳管の環境を整えることが大切です。

耳管狭窄症の症状

耳の中でポコポコと音がしたり、膜が張ったように耳が詰まる感じがするのは、耳管狭窄症の典型的なサインです。

ただ、中耳炎を伴うことが多いため、基本的には中耳炎の症状をきたすこととなります。

耳管狭窄症は、耳と鼻をつなぐ耳管が炎症などで狭くなり、耳の奥の圧力を調整できなくなることで起こります。

具体的には、音がこもって聞こえたり、自分の声が大きく響く「自声強聴」を感じたりします。

唾を飲み込んだときやあくびをしたときに耳の中で音がする、普段はできる耳抜きができなくなるといった体験も特徴的です。

症状が悪化すると、鼓膜が強くへこんで激しい痛みが生じたり、めまいや聞こえにくさを伴うこともあるため注意が必要です。

耳管狭窄症はどれくらいで治る?治らない場合は?

軽症 中等症 重症
主な症状 耳閉感・ポコポコ音 自声強聴・耳鳴り・聞こえにくさ 激しい耳痛・めまい・鼓膜の陥凹
耳抜き 唾を飲むと一時的に改善 耳抜きがしづらい 耳抜きができない
持続期間 数日~数週間 1~3ヶ月 3ヶ月以上・慢性化
主な治療 原因疾患の治療・経過観察 耳管通気療法・投薬 バルーン手術など外科的治療
合併症リスク 低い 滲出性中耳炎の可能性 滲出性中耳炎・鼓膜損傷

耳管狭窄症の回復期間は、症状の程度によって異なります。

風邪やアレルギーなど原因となる炎症が改善すれば、軽症の場合は数週間ほどで自然に回復することが多いです。

ただし、炎症が長引く場合は耳管通気療法などを並行しながら、1~3ヶ月程度かかることもあります。

炎症が繰り返されて慢性化した重症例では、投薬や通気処置だけでの改善が難しく、バルーンで耳管を広げる手術が検討されることもあります※。

「なかなか治らない」と感じたり、耳抜きのしづらさや耳閉感が続く場合は、滲出性中耳炎へ進行するリスクもあるため、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。

※耳管バルーン開大術(balloon dilatation Eustachian tuboplasty:BET):新しい治療で、耳管経由でバルーンを挿入し、拡大させる治療です。

耳管狭窄症が疑われるときの対処法

耳管狭窄症が疑われるときは、鼻の環境を整えることが改善への近道です。

まず日常でできることとして、鼻はすすらず、片方ずつやさしくかむことを心がけてください。鼻をすする癖は中耳を陰圧にして、耳管狭窄症の症状を悪化させます。

鼻うがいでアレルギー物質や粘り気のある鼻水を洗い流すことも有効です。

市販の抗アレルギー薬や点鼻薬も一時的な改善に役立ちますが、血管収縮剤入りの点鼻薬の長期使用は「薬剤性鼻炎」を招き、耳管の状態をかえって悪化させる恐れがあるため注意が必要です。

耳管狭窄症が疑われるような症状が続く場合は、最寄りの耳鼻咽喉科を受診しましょう。

耳管狭窄症の治療方法

耳管狭窄症の治療は、まず原因となっている鼻やのどの炎症を抑えるために薬物療法を行います。

耳の不快感や聞こえにくさを解消するため、耳管通気法も並行して実施します。

薬物療法や耳管通気療法を3ヵ月程度実施しても、改善が見られない場合は手術療法が行われます。

耳管通気療法

鼻から耳に空気を送る治療法です。中耳の鼓室内と外気の圧力を等しくしたり、鼓室内に溜まっている滲出液を外に排出したりします。

耳管通気法には次の2つの方法があります。

  • カテーテル法
  • ポリッツェル法

「バルサルバ法」と呼ばれる、自己通気法もありますが、これは強くし過ぎると鼓膜が傷ついたりする可能性があります。医師の指導のもと、適切に行いましょう。

手術療法

耳管を狭くさせたり、塞いだりする原因となる炎症を抑える薬物療法や耳管通気療法を実施しても、症状が改善しない場合は、手術療法が検討されます。

耳管狭窄症の手術では、鼓膜を切開し小さな穴が空いたチューブを入れて空気の通り道を人工的に作る「鼓膜チューブ留置術」が実施されます。

また耳管を塞いでいる原因が、アデノイド肥大であれば、アデノイド切除を、腫瘍の場合は放射線治療や化学療法や摘出手術などが検討されるでしょう。

また、先に述べた、BETも新しい選択肢として、報告されています。

飛行機で耳が痛くなる人は耳管機能を確認しよう

飛行機に乗るたびに強い耳の痛みを感じる方は、耳管の機能が低下している可能性があります。

耳管とは、耳と鼻をつなぐ細い管のことです。気圧が変化すると耳管が開いて中耳の圧力を調整しますが、炎症などで管が狭くなる「耳管狭窄症」の状態では、この調整がうまくいかず鼓膜が強くへこんで痛みが生じます。

放置すると鼓膜に水が溜まる「航空性中耳炎」を引き起こすこともあるため注意が必要です。

毎回のように耳が詰まる、耳抜きがうまくできないといった症状がある場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診することをおすすめします。

耳管狭窄症と耳管開放症の違い

耳管開放症と耳管狭窄症は、ともに耳管の開閉機能の異常によって発症します。

しかし、その症状や原因には違いがあるので、次の比較表で確認してみましょう。

病名 耳管開放症 耳管狭窄症
状態 耳管が開いたままになる 耳管が塞がれたり狭くなったりする
主な原因 急な体重減少、妊娠、体調不良、鼻すすり癖 風邪、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、咽頭炎、扁桃炎などの炎症
特徴的な症状 自分の声や呼吸音が響いて聞こえる(自声強調) 耳抜きができない
姿勢による変化 立位で症状が現れ、横になると改善する 姿勢による症状の変化はない
診断方法 耳用内視鏡で鼓膜の動きを観察 耳用内視鏡で鼓膜の動きを観察、耳管通気検査
主な治療法 生理食塩水の点鼻、漢方薬、鼓膜へのテープ貼付 原因となる炎症の治療、耳管通気

耳管狭窄症と耳管開放症は、ともに耳が詰まった感じや聞こえにくさなど共通の症状があります。

そのため、素人ではどちらの病気を発症したか、判断するのは難しいでしょう。

また治療もそれぞれ異なります。適切な診断と治療をするためにも、専門医の診察をうけることが重要です。

また耳管狭窄症とよく似た耳の病気の1つに突発性難聴があります。

こちらは、早期発見・治療をしなければ聴力が元に戻らなくなる可能性があるので注意が必要です。

突発性難聴を発症した場合、耳が詰まったような感じや聞こえづらさだけでなく、吐き気や頭痛が伴うことがあります。

耳管狭窄症を放置するとどうなる?(中耳炎・聴力低下)

耳管狭窄症は軽症の場合、鼻や喉の炎症が治まると自然治癒することもあります。

しかしながら、長引くと耳が聞こえづらくなったり、別の耳の病気を併発することもあるため注意が必要です。

ここからは、耳管狭窄症を放置するリスクについて見ていきましょう。

中耳炎

耳管狭窄症を放置すると、中耳の鼓室内に滲出液が溜まり中耳炎になります。

耳管狭窄症になると、耳の中の通気性が悪くなり中耳の鼓室内の気圧と鼻腔内の気圧に差が生じるためです。

中耳の鼓室内の気圧が下がることで、鼓膜が凹み気圧を均等にするため引っ張られます。

その結果、鼓膜の周囲の毛細血管が傷つき、その傷を修復しようと滲出液が鼓室内に溜まります。

耳管狭窄症から中耳炎になるまでのメカニズム
  1. 耳管狭窄症により耳管が狭くなる
  2. 耳管に空気が通りづらくなるため鼓室内の圧力が外気より低くなる
  3. 鼓室内の圧力により鼓膜が内側に引っ張られる
  4. 鼓室内の周囲の血管から体液が漏れ出す(滲出性中耳炎)
  5. 滲出液が溜まることで細菌やウイルスが内耳に増殖
  6. 急性中耳炎が発生

滲出液は本来、傷を修復する役割を担っているので悪いものではありません。

しかしな耳管狭窄症で、耳管が塞がれた状態のまま鼓室内に滲出液が溜まると、通気性が悪いため細菌やウイルスが増殖しやすい環境となります。

その結果、滲出液に細菌やウイルスが増殖。中耳の鼓室内に炎症を引き起す急性中耳炎を発症してしまいます。

聴力低下

耳管狭窄症を放置すると、鼓膜の機能が悪くなり聴力が低下します。

耳管狭窄症になると、中耳の鼓室内の気圧が低くなり、鼓膜が凹んでしまうためです。

鼓膜が凹むと動きが制限され、音の振動が脳に伝わりにくくなり聞こえが悪くなります。

鼓膜が凹んだ状態が長く続くと、鼓膜が周囲の組織に癒着して難聴になってしまうこともあります。

耳管狭窄症になりやすい人

耳管狭窄症になりやすい人には次の特徴がありますので、確認しておきましょう。

  • アレルギー体質である
  • 感染症にかかりやすい
  • 慢性鼻炎や副鼻腔炎を患っている
  • 気圧変化が生じやすい職業に勤めている
  • 高齢者
  • 鼻すすりのくせがある

これらの特徴が複数当てはまる場合、耳管狭窄症のリスクが高まります。

また、鼻やのどの炎症がなくても、高齢になると耳管の弾力性が低下し、耳管が開きにくくなる事があるため注意が必要です。

教えて院長先生!耳管狭窄症に関するよくある質問Q&A

耳管狭窄症に関するよくある質問とその回答をお答えいただきます。

耳管狭窄症と診断された場合、日常生活で気を付けるべきことはありますか?

鼻の状態を悪くしないことやかぜをひかないようにすることです

耳抜きができないのは耳管狭窄症が原因ですか?

さまざまな原因が考えられるので、耳管狭窄症のみではないと思います。

まとめ

耳管狭窄症は、耳と鼻をつなぐ耳管が炎症などで狭くなることで、耳閉感やポコポコとした音、聞こえにくさが生じる病気です。

「耳が詰まった感じがずっと続いている」「最近耳抜きがうまくできない」と感じている方は、耳管狭窄症が原因かもしれません。

まとめ
  • 力任せに鼻をかむ・鼻をすするといった行為は症状を悪化させるため控える
  • 症状が長引く場合は耳管通気療法や手術が必要になることもあり
  • 耳閉感や耳抜きのしづらさが続く場合、放置すると中耳炎や聴力低下につながる恐れがある

耳管狭窄症は、早めに対処することでより早い回復が期待できます。「たかが耳の詰まり」と軽く考えず、気になる症状があればお早めに医療機関を受診することをおすすめします。

福岡市東区名島にお住まいで、耳の詰まりや聞こえにくさでお悩みの方は、あだち耳鼻咽喉科へお越しください。

症状の原因をしっかりと診断し、お一人おひとりに合った治療をご提案いたします。

ABOUT ME
【執筆・監修】医療法人あだち耳鼻咽喉科 院長 安達一雄
日本耳鼻咽喉科学会 / 専門医・指導医 身体障害者福祉法第15条指定医
補聴器認定医 / 補聴器適合判定医 / 九州大学耳鼻咽喉科 特任助教
国際医療福祉大学非常勤講師