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はな、のど

寒暖差アレルギー(血管運動性鼻炎)の症状とは?何日で治るか・対策を耳鼻科医が解説

「寒い場所から暖かい室内に入った途端、くしゃみが止まらない…」「風邪でもないのに鼻水が出続ける…」

そんな経験はありませんか?

実はそれ、寒暖差アレルギーかもしれません。

ただ、寒暖差アレルギーという病名はなく、血管運動性鼻炎という疾患になります。

寒暖差アレルギーは風邪やアレルギー性鼻炎と症状が似ているため、「なかなか風邪が治らない」と思い込んでしまう方も少なくありません。

原因をきちんと知らないと、いくら市販薬を飲んでも効果が出にくいことも。

この記事では、寒暖差アレルギーの原因や症状、何日で治るのか、そして今日からできる対策まで耳鼻咽喉科の医師がわかりやすく解説します。

寒暖差アレルギーの症状

寒暖差アレルギーの主な症状は、くしゃみ・鼻水・鼻づまりの三徴候です。

血管運動性鼻炎と言われる様に、7℃以上の急激な温度変化が自律神経を乱し、鼻粘膜の血管が拡張することで引き起こされます。

症状は鼻だけでなく、倦怠感や頭痛、喉の不調として現れることもあるため注意が必要です。

喉の痛み・咳

寒暖差アレルギーでは、鼻水が喉に流れ込む「後鼻漏」や、冷たい空気による直接的な刺激が原因で、喉の痛みや咳が生じることがあります。

風邪との大きな違いは、ウイルス感染による炎症ではないため、通常は強い喉の痛みや高熱を伴わない点です。

ただし、自律神経の乱れによって喉の違和感や乾燥、軽い炎症が引き起こされ、不快感が長く続くこともあるため注意が必要です。

喉の症状が気になる方、とくに鼻水やくしゃみなどの鼻の症状も併せて出ている場合は、鼻と喉の粘膜をまとめて診察できる耳鼻咽喉科への受診をおすすめします。

鼻血との関係

寒暖差アレルギーでは、鼻水やくしゃみだけでなく鼻血が出やすくなることもあります。

寒暖差アレルギーで鼻血が出るメカニズム
  1. 急激な温度変化により自律神経が乱れ、鼻粘膜の血管が拡張する
  2. 冷たい空気が鼻粘膜を乾燥させ、傷つきやすい状態をつくる
  3. くしゃみや鼻をかむ際の物理的な刺激が粘膜にダメージを与える
  4. 粘膜表面の毛細血管が切れて鼻血が出る

鼻血を繰り返す場合は、「乾燥だから仕方ない」と放置せず、適切な保湿や粘膜のケアについて耳鼻咽喉科に相談することをおすすめします。

寒暖差アレルギーはいつまで続く?何日で治る?

寒暖差アレルギーによる鼻水やくしゃみは、刺激となる温度差がなくなれば比較的速やかに改善するのが特徴です。

暖かい室内に入るなどして体が環境に慣れると、数分から数時間で自然に治まることが少なくありません。

ただし、自律神経の乱れが原因のため、朝晩の冷え込みが激しい時期や季節の変わり目には、数週間~数か月にわたって症状が繰り返されることもあります。

日常生活に支障が出るほど症状が重い場合や、市販薬を使っても数日以上改善が見られない場合は受診の目安です。

透明でサラサラした鼻水が黄色く粘り気のあるものに変わったり、発熱を伴う場合は、風邪や副鼻腔炎の可能性があるため、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。

寒暖差アレルギーの原因

寒暖差アレルギーの主な原因は、まだはっきりとわかっていません。しかしながら、主な原因の1つに自律神経の乱れが挙げられます。

自律神経は私たちの体温調節、心拍数などの生命維持活動をコントロールする神経です。

この神経のバランスが乱れると、外部環境の変動、とくに気温の変化に対して、過敏に反応するようになります。

体感の温度差が7度以上になると、寒暖差アレルギーの症状が発症しやすくなるというデータが報告されています。

自律神経の乱れにより、寒暖差アレルギーが発症するメカニズムは次の通りです。

寒暖差アレルギーが発症するメカニズム
  1. 体内の機能を調節する自律神経が乱れる
  2. 身体が急な気温の変動に対して対応できなくなる
  3. 鼻粘膜または呼吸器官の血管が急激に膨張したり収縮したりする(暖かい場所では膨張、寒い場所では収縮)
  4. 鼻や気管支の粘膜が腫れたり乾燥したりする
  5. 寒暖差アレルギーの症状があらわれる

寒暖差アレルギーは原因がはっきりとわかっていないため、完治することは難しいとされています。

しかしながら、対症療法や生活習慣の改善、環境の調整などで症状を緩和させることは可能です。

寒暖差アレルギーになりやすい人の特徴

寒暖差アレルギーになりやすい人の特徴は次の通りです。

  • 女性
  • 40歳以降の人
  • 乾燥肌の人
  • 花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギーを持つ人
  • 喘息や気管支炎の既往歴がある人

ここでとくに注目したいのが、女性や40歳以降の人です。

女性は、ホルモンバランスの変動により自律神経が乱れやすいため、気温の変化に敏感になりやすくなります。

また40歳を過ぎると、加齢とともに体温調整機能が低下し、気温の変動による影響を受けやすくなります。

市販薬・漢方で治るか?病院に行くべきタイミング

寒暖差アレルギーの対策は、まず日常生活で首元などを温め、刺激を避けることから始めましょう。

症状が軽い場合は、市販の抗ヒスタミン薬やステロイド点鼻薬も有効です。なかでも漢方の「小青竜湯」は、体を温めながら鼻水の水分代謝を改善する効果が期待でき、眠気が出にくいため重宝されます。

ただし、寒暖差アレルギーは温度変化によって知覚神経が直接刺激されることが主な原因のため、ヒスタミンの放出を抑える通常のアレルギー薬が効きにくいこともあります。

数日セルフケアを続けても症状が治まらない場合や、鼻水が黄色く濁る・発熱があるといった場合は、風邪や副鼻腔炎の疑いがあるため受診の目安です。

日常生活に支障が出るほどつらい場合は、専門医による粘膜の処置や、より効果的な処方薬の検討が必要ですので、早めに耳鼻咽喉科へご相談ください。

寒暖差アレルギーの対策|今日からできる3つの方法

寒暖差アレルギーの症状は、事前に対策をおこなうことで発症リスクを低減させることができます。

ここでは、今日からできる寒暖差アレルギーの対策をご紹介します。

体感の温度差をできる限り小さくする

寒暖差アレルギーの症状を抑えるには、体感の温度差をできるだけ小さくするよう意識しましょう。

なぜなら、寒暖差アレルギーは体感の温度差が7度以上になると発症しやすくなるからです。

とくに夏の冷房や冬の暖房は、体感の温度差を大きくします。

空調の温度を適切に管理するのはもちろんのこと、エアコンの風が直接肌にあたらないよう風向きの調整もしましょう。

しかし、多くの人が集まるオフィスでは、個人の体感に合わせて空調を調整するのが難しいこともあります。

体感の温度差をできるだけ小さくするため、着脱しやすいベストやカーディガンなどで、こまめに調整しましょう。

また、冬の外出時には帽子やマフラー、手袋などを利用して体を冷やさないようにする調整も効果的です。

適度な運動をする

寒暖差アレルギーの症状を緩和させるため、ストレッチやウォーキングなど適度な運動を取り入れましょう。

適度な運動によって、筋力がアップすると基礎代謝が上がり、体温が上がりやすくなるからです。

体温が低いと自律神経が乱れやすくなり、寒暖差アレルギーの発症リスクが高まります。

適度な運動で筋肉がつくと、体で作られる熱量が増えます。

その結果、体温が上がり自律神経の乱れを抑えられるため、寒暖差アレルギーの発症リスクを減少させることが期待できるのです。

また運動は体の血流を良くし、免疫力を上げる助けにもなるため風邪やアレルギーの発症を抑える効果も期待できます。

規則正しい生活やストレス緩和に努める

寒暖差アレルギーの症状を抑えるため、規則正しい生活を心がけましょう。

睡眠や食生活が乱れると、自律神経のバランスが崩れて寒暖差アレルギーの発症リスクが高まるからです。

毎日同じ時間に起きて寝ることや、バランスのよい食事を心がけることで、自律神経を整えることができます。

また、過度なストレスも自律神経の乱れを引き起こします。

心身のリラックスや気分転換になることを適度に取り入れて、ストレス解消に努めましょう。

風邪・アレルギー性鼻炎・寒暖差アレルギーの見分け方

それぞれの発症の原因と主な症状、治療法を以下にまとめました。

項目 原因 主な症状 治療
寒暖差アレルギー(血管運動性鼻炎) 気温の変化、自律神経の乱れなど 鼻水、鼻づまり、くしゃみ、皮膚のかゆみ 環境調整、薬物療法
一般的なアレルギー アレルゲンへの反応 くしゃみ、鼻水、皮膚のかゆみ、目の充血・かゆみ 薬物療法、アレルゲン除去
風邪 ウイルスや細菌 咳、鼻水、喉の痛み、熱 休養、薬物療法

寒暖差アレルギーは、気温の急な変動や自律神経の乱れからくる体の過敏な反応としてあらわれる症状で、アレルギー反応と異なります。

そのため、アレルギー性鼻炎の主な症状である目のかゆみや充血などの症状がありません。

また風邪のような体のだるさはありますが、ウイルスや細菌にかかっているわけではないため、発熱や頭痛などの症状があらわれることはありません。

教えて院長先生!よくある質問Q&A

寒暖差アレルギーについて、よくある質問を院長先生にお答えいただきます。

子どもにも寒暖差アレルギーはありますか?

非常にまれと思われます

あだち耳鼻咽喉科では寒暖差アレルギーをどのように診断しますか?

鼻水の性状などから見分ける方法はないですが、発症原因で推測しています。

多いのは食事をすると鼻水がでるといったことです。

なので、長く続くというよりは都度症状がおこるという感じがあれば、寒暖差アレルギーを疑います。

また、採血でアレルギーが無いような場合も血管運動性鼻炎の可能性があります。

ただ、アレルギーでは無いので、抗アレルギー剤より小青竜湯などの漢方薬の方が効果がある場合もあります。

まとめ

寒暖差アレルギーは、気温の急な変動によって自律神経が乱れ、鼻水・くしゃみ・鼻づまりなどの症状があらわれる疾患です。

風邪やアレルギー性鼻炎と症状が似ていますが、発熱や目のかゆみを伴わない点が大きな違いになります。

まとめ
  • 体感の温度差が7度以上になると寒暖差アレルギーの症状があらわれやすい
  • 一時的な症状は数分~数時間で治まるが、季節の変わり目には数週間?数か月繰り返されることもある
  • 首元を温める・適度な運動・規則正しい生活などのセルフケアが症状緩和に効果的

症状が長引く場合や日常生活に支障が出るほどつらい場合は、我慢せず耳鼻咽喉科へご相談ください。

福岡市東区名島にお住まいで、季節の変わり目に鼻水やくしゃみの症状が出てお困りの方はあだち耳鼻咽喉科へご来院ください。

あだち耳鼻咽喉科では、寒暖差アレルギーはもちろんのこと、季節性アレルギーなど冬に発症しやすい鼻の疾患についても診察・治療いたします。

もしかするとくしゃみや鼻水の症状は、寒暖差アレルギーではなく別の病気の症状である可能性もあります。

気になる症状があればぜひあだち耳鼻咽喉科へご相談ください。

ABOUT ME
【執筆・監修】医療法人あだち耳鼻咽喉科 院長 安達一雄
日本耳鼻咽喉科学会 / 専門医・指導医 身体障害者福祉法第15条指定医
補聴器認定医 / 補聴器適合判定医 / 九州大学耳鼻咽喉科 特任助教
国際医療福祉大学非常勤講師