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ドライノーズとは?原因やリスク、症状を緩和するセルフケアを確認

冬になると鼻の中がムズムズしたり、ヒリヒリと痛くなったりと鼻のトラブルに悩まされる人も多いのではないでしょうか。

これらは鼻の中の乾燥「ドライノーズ」によって起こる症状です。

ドライノーズになると、鼻の粘膜が乾燥するため感染症にかかりやすくなります。

この記事ではドライノーズとは何か、症状や原因、治療法や自宅でできるセルフケアをご紹介します。

この記事を読めば、鼻の中の不快感を解消でき、感染症予防にも役立つでしょう。

ドライノーズとは

ドライノーズとは、乾燥性鼻炎のことです。

何らかの原因により鼻の粘膜が乾燥状態となり、ムズムズ感やヒリヒリした痛み、鼻出血などの症状があらわれます。

空気が乾燥する冬の季節に発症することが多く、また、エアコンによる空気の乾燥や、薬の影響などによりおこると言われています。

鼻の不快感はもちろんのこと、喉や肺にもさまざまな影響が出てしまう可能性があるので注意が必要です。

ドライノーズによる感染症リスク

ドライノーズになると感染症リスクが高まります。

鼻の中の粘膜や繊毛が乾燥してしまうと、菌やウイルスのバリア機能が大きく低下してしまうからです。

その結果、ウイルスや菌が鼻のバリアをすり抜けて体内に入り込み、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかるリスクが高まります。

また花粉やPM2.5も体内に入り込みやすくなるため、花粉症や季節性アレルギーを持つ患者さんは、症状が悪化しやすくなるので注意が必要です。

ドライノーズの症状

ドライノーズになると、鼻の中が乾燥するため次のような症状があらわれます。

  • 鼻の中がムズムズする
  • 鼻の奥がツンと痛い
  • 鼻をかんでも鼻水が出ないまたは少量である
  • 鼻が詰まる
  • 鼻血がよく出る

ただ、ドライノーズは長期化しやすく症状に慣れてしまうことも少なくありません。

そのため、ドライノーズによる身体の不調をそのまま放置してしまう人もいるのではないでしょうか。

ドライノーズは悪化すると粘膜の炎症を引き起こし、感染症にかかったり、花粉症などのアレルギー症状を悪化させたりするため、軽視できません。

乾燥しているときに、鼻に違和感がある方は、早めに対処するようにしましょう。

ドライノーズになりやすい人の特徴

ドライノーズは、老若男女問わず誰でも発症します。

ただ、次のような病気や生活習慣を持つ人は、ドライノーズになりやすいので特に注意が必要です。

ドライノーズになりやすい人の特徴
  • 鼻炎や花粉症を患っている
  • 乾燥している場所(オフィスなど)に長時間いることが多い
  • 口呼吸している
  • 喫煙をする

また、鼻の粘膜の分泌量は自律神経の乱れにより少なくなることがわかっています。

ストレスや不安を抱えている人もドライノーズになりやすいので注意しましょう。

ドライノーズの原因

ドライノーズの主な原因は、冬の空気の乾燥です。

しかし、空気の乾燥以外にも次のような原因でドライノーズになることがあります。

エアコンの使用

エアコンの使用が原因でドライノーズになることがあります。

エアコンを使用すると、室内は乾燥しやすく湿度が20%以下になることもあるからです。

エアコンの湿度調節が難しいオフィスや大型商業施設などでは、ドライノーズの症状があらわれやすくなります。

加齢

加齢が原因でドライノーズになることがあります。

年を重ねると、鼻の中の加湿機能や繊毛機能が低下し、鼻の中が乾燥しやすくなるからです。

これは鼻粘膜の萎縮によるもので、およそ60歳以上から萎縮が始まると言われています。

薬の頻回使用

花粉症やアレルギーの症状を抑える点鼻薬の頻回使用でドライノーズになることもあります。

点鼻薬には血管収縮剤が含まれており、頻回使用すると鼻粘膜の炎症を引き起こすからです。

鼻粘膜が炎症してしまうと、鼻腔内の保湿機能が低下し鼻が乾燥しやすくなります。

また点鼻薬以外にも血管収縮剤が含まれている薬の頻回使用は、鼻粘膜の乾燥を招きドライノーズになるため注意が必要です。

鼻の病気

鼻の病気が原因でドライノーズになることもあります。

鼻の病気の症状によって、鼻粘膜が萎縮したり炎症したりすることで、鼻の保湿機能が低下してしまうからです。

鼻の乾燥の症状があらわれやすい病気は次の通りです。

  • 急性鼻炎
  • 慢性鼻炎
  • アレルギー性鼻炎
  • 萎縮性鼻炎

これらの病気は、素人で判断することができません。

鼻の中の乾燥が気になるときは、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。

ドライノーズは耳鼻咽喉科で治療

ドライノーズは、季節性アレルギーや花粉症の症状とよく似ています。

ドライノーズと思い込んでいたら、別の鼻の疾患だったということも少なくないため、耳鼻咽喉科を受診しましょう。

耳鼻咽喉科ではまず問診をおこない、ドライノーズの原因を探ります。

病気が原因であると診断されたら、病気に対する治療がおこなわれ、生活習慣が原因の場合は、生活指導がおこなわれます。

またドライノーズの症状を抑える、鼻腔内に使える保湿スプレーやワセリンなどが処方されることもあります。

ドライノーズの症状を緩和するセルフケア

ドライノーズの症状を緩和するには、鼻の中の乾燥を抑える必要があります。

ここからは耳鼻咽喉科もおすすめする、自宅でできるドライノーズのセルフケアをご紹介します。

こまめな加湿

こまめな加湿でドライノーズの症状を緩和しましょう。

ドライノーズは鼻の中の乾燥により、症状があらわれるため、保湿することで一時的に症状が和らぎます。

エアコンを付けるときには加湿器を付ける、洗濯物を室内に干すなど、室内を乾燥させないようにしましょう。

鼻の保湿スプレーなど、ドライノーズ向けの商品も販売されていますので、試してみるとよいかもしれません。

ただ、ドライノーズの症状は季節性アレルギーや花粉症の症状とよく似ているため、勘違いしてしまうこともあります。

ドライノーズなのに、花粉症やアレルギーだと勘違いしてしまい鼻水を止める点鼻薬を購入してしまうと、かえって症状が悪化してしまうため注意が必要です。

保湿スプレーは耳鼻咽喉科でも処方されますので、まずは耳鼻咽喉科へ受診してみましょう。

マスクの着用

外出時にマスクを着用するとドライノーズの症状を緩和できます。

マスクを着用すると、吐く息によって鼻腔中を含む顔回りの保湿・保温ができるからです。

さらに、マスクの活用は感染症の飛沫感染の予防にもなります。

ワセリンの塗布

鼻の中や周りにワセリンを塗布するとドライノーズの症状が緩和できます。

ワセリンは、肌表面に油膜を貼るため、体内からの蒸発を防ぐからです。

鼻にワセリンを塗布すれば、鼻の乾燥を予防できるでしょう。

ワセリンには、純度の違いにより黄色・白色・透明などいくつか種類があります。

鼻の中に塗布するのであれば、純度の高い白色ワセリンがおすすめです。

赤ちゃんから大人まで安心して使用することができます。

ただし、ワセリンには防腐剤が入っていないため、指で直接取ったりすると、雑菌や真菌が繁殖してしまうため注意が必要です。

ワセリンを使用するときには、清潔な綿棒やへらを使用しましょう。

水分補給

水分補給をこまめにするとドライノーズの症状を緩和できます。

鼻粘膜の潤いには十分な水分が必要だからです。

また水分補給は喉粘膜の乾燥も防ぎ、感染症予防にもつながります。

潤い不足にならないよう、こまめな水分補給を心がけましょう。

なお、カフェインが含まれるコーヒーや紅茶、お茶は利尿作用があるため、かえって身体の乾燥を招きます。

カフェイン入りの飲み物は控え、水や麦茶、ルイボスティーなどの飲用を心がけましょう。

鼻毛を処理しすぎない

鼻毛の処理に気を付けることもドライノーズの症状緩和につながります。

鼻毛を抜いたり過度に処理をしたりして鼻腔内を傷つけてしまうと、鼻粘膜が炎症しドライノーズの症状が悪化してしまうからです。

鼻毛の処理は大事ですが、入口から外に出ている部分をカットするのにとどめ、鼻内部にハサミを入れるなどの過度なケアは控えましょう。

また、鼻づまりで過度に鼻を触るのもドライノーズが悪化する要因となります。

教えて院長先生!よくある質問Q&A

ドライノーズについて、よくある質問を院長先生にお答えいただきます。

あだち耳鼻咽喉科では、ドライノーズに対してどのような治療をするの?

ここに記載されているようにワセリンを塗ってもらったり、鼻うがいをしてもらったりすることが多いですが、やはり生活習慣や環境の調整が重要と思います。

ドライノーズと風邪・アレルギーの違いは?

風邪は一般的には鼻だけの症状ではなく、喉や咳、熱などの症状が組み合わさることが多いと思われます。

のどの症状があるという意味では症状は似ているところもあると思いますが、ドライノーズの方が症状の罹患期間が長い印象があり、熱を伴うことも無いと思います。

まとめ

ドライノーズになると、鼻の粘膜が乾燥状態となり鼻出血や痛みを伴います。

空気の乾燥する冬に発症しやすいため、これからの季節は肌だけでなく鼻回りの保湿にも気を配りましょう。

まとめ
  • ドライノーズになると感染症リスクが高まる
  • 鼻の病気が原因でドライノーズを発症してしまうこともある
  • ドライノーズは耳鼻咽喉科の受診で症状緩和できる

ドライノーズは、病院受診はもちろんのこと、セルフケアによってつらい症状を緩和させることが可能です。

症状がつらい方は、ここで紹介したセルフケアをぜひ試してみてはいかがでしょうか。

また、ドライノーズだと思い込んでいたら、別の鼻の病気の症状だったということもあります。

素人では病気の診断や治療はできないため、ドライノーズの症状が改善されないときは、最寄りの耳鼻咽喉科へ受診しましょう。

あだち耳鼻咽喉科では、ドライノーズの診察・治療もおこなっています。

名島にお住まいで、ドライノーズの症状にお悩みの方はぜひあだち耳鼻咽喉科へご相談ください。

ABOUT ME
【執筆・監修】医療法人あだち耳鼻咽喉科 院長 安達一雄
日本耳鼻咽喉科学会 / 専門医・指導医 身体障害者福祉法第15条指定医
補聴器認定医 / 補聴器適合判定医 / 九州大学耳鼻咽喉科 特任助教
国際医療福祉大学非常勤講師