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インフルエンザとマイコプラズマ肺炎同時感染の症状と対策

2016年以来、8年ぶりに患者数が増加しているマイコプラズマ肺炎。

2024年11月には1医療機関あたりの患者数が2.84人と過去最高値を記録しました。

2025年10月26日時点では1.53人と前年よりはやや少ないものの、同時期で比較すると差はわずか0.4人にとどまっています。(昨年の同じ時期では1.96)

今後は再び増加し、再び過去最高を更新する可能性も否定できません。

さらに今冬はインフルエンザの流行期と重なることから、インフルエンザとマイコプラズマ肺炎の同時感染(重複感染)が懸念されています。

今回は両疾患の患者数の推移や同時感染時のリスクや予防法、そして「トリプルデミック(3つの感染症の同時流行)」の可能性について詳しく解説します。

【2025年】マイコプラズマ肺炎とインフルエンザの患者数の推移

マイコプラズマ肺炎とインフルエンザの同時感染はなぜ起きてしまうのか。

それは昨年にマイコプラズマ肺炎の患者数とインフルエンザの患者数が爆発的に増加したためです。

そして、2025年も昨年ほどではありませんが、徐々にマイコプラズマ肺炎の患者数とインフルエンザの患者数が増えてきています。

それぞれのデータを詳しく見ていきましょう。

マイコプラズマ肺炎の発症推移

まずは、国立感染症研究所が公開している「2025年のマイコプラズマ肺炎の発症数の推移」を示したグラフを見てみましょう。

IDWR過去10年との比較グラフ(週報) マイコプラズマ肺炎-

出典:IDWR過去10年との比較グラフ(週報) -マイコプラズマ肺炎 Mycoplasma Pneumonia-

このグラフは、過去10年間におけるマイコプラズマ肺炎の発症数を、1医療機関あたりの患者数として示したものです。

グラフを見ると、2025年は第1・2週(12月30日~1月12日)および第29週(7月14日~7月20日)の期間で、過去10年間の中でも最も多い患者数を記録しています。

現在は前年よりやや低い水準となっているものの、再び増加傾向にあり、油断はできません。

インフルエンザの発症推移

次に、2025年のインフルエンザ発症数の推移を示したグラフを見てみましょう。

インフルエンザ過去10年間との比較グラフ

出典:インフルエンザ過去10年間との比較グラフ

10月時点では、まだ患者数は比較的少ない状況です。

しかし、2024年のデータを振り返ると、47週(11月18日~24日)を境に感染者が急増しており、今年も同様の時期から流行が本格化する可能性があります。

IDWR過去10年との比較グラフ(週報) インフルエンザ-

出典:IDWR過去10年との比較グラフ(週報) -インフルエンザ-

2024年は、12月に入ってから患者数が急激に増加しました。

2024年12月16日~1月3日(第51週)の1週間で統計されたインフルエンザ患者数は、1医療機関あたり42.66人。

前の週が19.03人だったことを考えると、わずか1週間で2倍以上に増加したことになります。

また、11月~12月にかけては、インフルエンザとマイコプラズマ肺炎の流行が重なる時期でもあります。

そのため、同じ医療機関に両方の患者が集中することが予想され、感染リスクが高まるでしょう。

どちらの病気も飛沫感染・接触感染によって広がるため、同じ空間で過ごすことで同時感染する危険性もあります。

インフルエンザとマイコプラズマ肺炎の違い

病名 インフルエンザ マイコプラズマ肺炎
流行時期 毎年11月~3月 3~5年のサイクルで流行。季節は秋~冬に流行しやすい
症状 高熱・筋肉痛・倦怠感など全身症状 発熱・頭痛・咳(解熱後に咳が強くなる
感染しやすい人 老若男女だれでも 子どもや若年層に多い
予防接種 あり なし

マイコプラズマ肺炎とインフルエンザの大きな違いは、感染しやすい人です。マイコプラズマ肺炎の場合、子どもや若年層がかかりやすくなります。

ただ、子どもを看病した大人や免疫力が低下した大人もかかりやすいため、安心はできません。

またインフルエンザは予防接種により重症化を防ぐことができます。小さい子どもや高齢者は重症化しやすいので、事前に予防接種しておきましょう。

インフルエンザとマイコプラズマ肺炎同時感染の事例

インフルエンザとマイコプラズマ肺炎を同時感染すると、肺炎が重症化しやすく治療が困難になる可能性があります。

日本では2018年にインフルエンザとマイコプラズマ肺炎の同時感染で肺炎が重症化した事例が報告されています。

報告書によると重症化した患者の年齢は19歳。基礎疾患もなく、生来健康な女性の方でした。

インフルエンザとマイコプラズマ肺炎同時感染した19歳女性の病状の進行は次のとおりです。

インフルエンザとマイコプラズマ肺炎同時感染した19歳女性の病状の進行
  1. 1週間以上続く発熱・咳によりかかりつけ医を受診
  2. インフルエンザと診断される。このとき既に強い肺炎を伴っていた
  3. 抗インフルエンザウイルスと抗生剤を投与される
  4. 呼吸状態の悪化し、酸素投与。肺炎悪化。
  5. 原因菌の培養検査によりマイコプラズマ肺炎の原因菌を確認
  6. 抗生剤を変えて症状改善

結果的に患者は一命を取り留めました。

しかし、マイコプラズマ肺炎の原因菌を見つけるまでの過程が困難で、一時は命まで危ぶまれた事例です。

ここまで悪化したのは、インフルエンザにり患した状態で、マイコプラズマ肺炎に同時感染してしまったからではないかと予測されています。

インフルエンザとマイコプラズマ肺炎の同時感染は、老若男女関係なく重症化する可能性があることがわかる事例です。

インフルエンザとマイコプラズマ肺炎の同時感染を防ぐ方法

インフルエンザ・マイコプラズマ肺炎の同時感染を防ぐには、手洗い・マスク・うがいの感染予防が基本になります。

インフルエンザとマイコプラズマ肺炎、どちらも飛沫感染・接触感染によってり患し感染拡大するためです。

また、インフルエンザは予防接種により重症化を防ぐことができます。

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残念ながらマイコプラズマ肺炎に有効なワクチンは現時点ではありません。

しかしながら、感染したとしてもほとんどかが軽症ですみます。

まずはインフルエンザを感染拡大しないためにも、できる限りインフルエンザの予防接種をしておくことをお勧めします。

新型コロナウイルスも猛威をふるう!トリプルデミックに警戒

新型コロナウイルスが第5類感染症に分類されたことから、「新型コロナウイルス感染症の流行期はもう終わった」と思われがちですが、そのようなことはありません。

冬になるにつれて、今年も新型コロナウイルス感染症の患者数も増加するのではないかと予測されています。

なお国立感染症研究所による報告によると、2025年の第41週(10月6日~10月12日) の1週間で統計した、新型コロナウイルス感染症の患者数は1医療期間あたり3.72人。

同じ期間で比較すると新型コロナウイルス感染症の患者数が最も多くなっています。

  • マイコプラズマ肺炎…患者数が1.53人
  • インフルエンザの患者数…2.36人

2025年冬は、インフルエンザ・マイコプラズマ肺炎・新型コロナウイルスの3つが同時に流行するトリプルデミックが起こる可能性が高くなっています。

トリプルデミックが起こると、医療機関で次のことが起こります。

  • 検査キットの不足
  • 治療薬や抗生物質の不足
  • ハイリスク患者の死亡数の増加

新型コロナ感染拡大時のような医療崩壊に陥る可能性もあるため、大変危険です。

新型コロナウイルス感染症も飛沫感染・接触感染によって、感染拡大しますので、まずは手洗い・うがいなどの基本的な感染予防に努めましょう。

発熱・咳などの症状が出た場合の対処法

インフルエンザ・マイコプラズマ肺炎、どちらも初期症状は似ているため、素人で自己判断するのは難しいです。

小児の場合は、発熱や咳などの症状があらわれたらかかりつけ医に見てもらいましょう。

子どもの場合、急変する可能性があるためです。また症状が悪化すると食事や水分が摂れなくなることもあります。

大人の場合は、発熱や咳などの症状が出ても基礎疾患がなければしばらく様子を見てもよいでしょう。

市販の解熱剤を服用して、休養すれば症状が軽くなることも少なくないためです。

ただ、2~3日休養しても解熱しない場合は、我慢せず病院受診しましょう。

インフルエンザや新型コロナウイルス感染症が流行している、今の時期は病院内で二次感染が起きないよう、予約制の発熱外来を設けています。

辛い症状で何時間も病院で待つことがないよう、病院へ受診するときは発熱外来の有無や予約が必要かどうかを確認すると待ち時間が短縮できるでしょう。

インフルエンザ・マイコプラズマ肺炎同時感染でよくある質問Q&A

インフルエンザ・マイコプラズマ肺炎同時感染でよくある質問とその回答を院長先生にお答えいただきます。

インフルエンザとマイコプラズマ肺炎を同時感染した場合、どちらを優先的に治療するのでしょうか?

どちらも治療可能ですので、抗ウイルス剤や抗生剤をもちいて、並行して治療することになると思います。

インフルエンザとマイコプラズマ肺炎を同時感染した場合、治療が長引いたり重症化したりするリスクは高まりますか?

実際に経験したことはないですが、咳が長引くなどの症状の遷延化や重症化のリスクは高まると思います。

スポットファイアなどを用いて診断することや、患者数が減少していても、マイコプラズマ感染の可能性を疑うことが重要かと思われます。

まとめ

2024年の冬は8年ぶりにマイコプラズマ肺炎が流行しました。

2025年もその勢いは収まらず、今冬もマイコプラズマ肺炎の増加が懸念されています。

冬はインフルエンザの流行が重なることから、2025年も同時感染のリスクが高まるでしょう。

インフルエンザもマイコプラズマ肺炎も飛沫感染や接触感染で感染拡大するので、手洗い・うがい・マスク着用など基本的な感染予防に努めましょう。

まとめ
  • インフルエンザとマイコプラズマ肺炎を同時感染すると重症化リスクが高まる
  • 新型コロナウイルスも感染拡大しているためトリプルデミックが発生しつつある
  • トリプルデミックが起こると医療機関に大きな影響が出る

インフルエンザの症状やマイコプラズマ肺炎の症状は似ているため、素人では自己判断できません。

高熱が続く、咳がとまらないなどのつらい風邪症状が出たらまずは最寄りの病院で診てもらいましょう。

福岡市東区名島にお住まいの方で、つらい咳や風邪症状にお悩みの方は、あだち耳鼻咽喉科へご相談ください。

発熱・熱の症状がある場合は、車または別室で待機してもらい、診察・治療を受けることができます。

インフルエンザやマイコプラズマ肺炎、新型コロナウイルス感染症の検査薬・薬も用意していますので安心してお越しください

ABOUT ME
【執筆・監修】医療法人あだち耳鼻咽喉科 院長 安達一雄
日本耳鼻咽喉科学会 / 専門医・指導医 身体障害者福祉法第15条指定医
補聴器認定医 / 補聴器適合判定医 / 九州大学耳鼻咽喉科 特任助教
国際医療福祉大学非常勤講師