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はな、子どもの病気

鼻吸い器は必要?使用するタイミングや使い方、注意点を確認

子どもは免疫力が低いため、風邪などの感染症にかかりやすく、鼻水や咳の症状が頻回に出てしまうことも少なくありません。

また2~3歳までの子どもは自分で鼻をかむのが難しいため、鼻水が排出できずよく鼻づまりも引き起こします。

鼻が詰まって寝苦しそうな子どもを見ていると、「何とか呼吸をラクにしてあげたい」と思うパパやママも多いのではないでしょうか。

そこで鼻吸い器を利用したいと思うパパやママもいるかもしれません。

この記事では、子どもの鼻水の排出をサポートする鼻吸い器の必要性や使用方法、選び方を紹介します。

家庭に鼻吸い器は必要?

自分で鼻をかめない子どものいる家庭では、鼻吸い器を用意しておきましょう。

子どもは鼻をかめないので鼻水の分泌が増えてしまうと、すぐに鼻の中が鼻水でいっぱいになってしまうからです。

また、子どもは鼻と耳をつなぐ耳管が太く水平なので、ウイルスや菌の含まれた鼻水が耳管へ入り込み中耳炎を発症することもあります。

さらに子どもは、鼻と耳をつなぐ鼻涙管も短いため、鼻が詰まってしまうと鼻涙管の出口が塞がってしまうこともあります。

その結果、涙が逆流し目やまぶたが腫れてしまったり、目やにの原因になったりする恐れもあるのです。

このように子どもの鼻づまりは、息が苦しくなるだけでなく、耳や目など他の器官にも影響を与えてしまうことがあります。

鼻吸い器はいつからいつまで使えるのか

鼻吸い器は生後すぐから使用できます

ただ鼻吸い器の種類や製品によって使用できる月齢が異なるので、使用時には取り扱い説明書を確認しましょう。

鼻吸い器は子どもが自分で鼻をかめるようになる2歳から3歳まで使用するのがおすすめです。

また鼻吸い器に使用期限はありませんので、必要に応じて使いましょう。

最近では、大人も使用できる電動鼻吸い器も市販されているので家族で使うのもおすすめです。

家族で使用する場合は、家族間で菌やウイルスを蔓延させないよう、器具の洗浄や消毒をしっかりとおこなってから使用するよう心がけましょう。

鼻吸い器が必要なタイミング>

鼻吸い器は、子どもが寝る前と起床時のタイミングに重点的に使用するのがおすすめです。

寝る前に鼻が詰まっていると、息苦しさから寝つきが悪くなります。

また起床時は睡眠中に溜まった鼻水で、息苦しくなるため寝起きが悪くなります。

子どもの鼻水が止まらないなら、寝る前・起床時以外でもこまめに鼻吸い器で吸引してあげましょう。

大人が風邪を引いたときに何度も鼻をかむように、鼻を上手にかめない子どもには、鼻吸い器で何度も鼻水を取ってあげた方が良いからです。

ただし、過度に繰り返し吸引したり、鼻の奥に吸引のチューブを突っ込んでしまったりすると鼻粘膜を傷つけてしまう恐れがあります。

また鼻吸いで子どもが痛い思いをしたり、恐怖を覚えたりしてしまうと鼻吸い自体を嫌がってしまうこともあります。

1回の鼻吸いですべての鼻水を必ず吸い取らなければならないことはありません。

子どもがご機嫌なタイミングを見計らい、鼻吸いをするとよいでしょう。

鼻吸い器の種類

鼻吸い器の種類は次の4つです。

鼻吸い器の種類
  • 電動据え置きタイプ
  • 電動ハンディタイプ
  • スポイトタイプ
  • 口吸いタイプ

それぞれの特徴や注意点があるので詳しく見ていきましょう。

電動据え置きタイプ

電動据え置きタイプは、鼻吸い器の中でも吸引力が強いのが特徴です。

スイッチ1つで子どもの鼻の奥に溜まっている鼻水も吸引できます。

ただ、重量は1.5キログラム~2.0キログラムあり持ち運びには不向き。また他の鼻吸い器と比べて価格が高いのがデメリットになります。

またチューブを鼻の奥まで突っ込んでしまうと、子どもの鼻粘膜を傷つける恐れがあるため注意が必要です。

電動ハンディタイプ

電動ハンディタイプは、手動よりも吸引力が強く持ち運びができるのが特徴です。

外出先でも子どもの鼻水をサッと吸引できます。

ただ吸引力は電動据え置きタイプに劣り、使用時には乾電池が必要です。手動タイプに比べて重量があり、コストもやや高いのがデメリットです。

スポイトタイプ

スポイトタイプは、ポンプを握るシンプルな操作で鼻水を吸引できるのが特徴です。

電動のように大きな音を出さずに、鼻水を吸引できます。

吸引力が電動のものより弱く、粘り気の強い鼻水や鼻の奥にある鼻水は吸いにくいのがデメリットです。

口吸いタイプ

口吸いタイプは、手動で吸引力を微調整できるのが特徴です。

強い吸引力の鼻吸い器を扱うのに抵抗がある人やコスパ重視の人におすすめです。

口吸いタイプもスポイトタイプと同じく吸引力が弱いのがデメリットの1つです。また子どもの鼻の中のウイルスを吸い込んでしまい、風邪などの病気がうつる恐れがあります。

このように鼻吸い器には4つのタイプがあり、それぞれメリット・デメリットがありますので、自分の家庭に合ったものを選ぶとよいでしょう。

鼻吸い器の適切な使用方法

乳幼児の鼻水を取るのに便利な鼻吸い器ですが、使用方法や使用時間を誤ると鼻水が上手く取れなかったり、鼻の粘膜を傷つけたりする恐れがあります。

ここからは、鼻吸い器の適切な使用方法を4ステップでご紹介します。

ステップ1:子どもを寝かせて頭がうごかないよう固定

鼻吸い器を使用中に子どもが頭を振ったり、手で振り払ったりすることがないよう、子どもを寝かせて頭を固定させましょう。

子どもの頭を固定させる方法
  1. 寝かせる
  2. ひざ裏で軽めに子どもの腕を抑える
  3. 太ももで頭を挟み固定する

ステップ2:ノズルを水平に差し込む

鼻の穴に対して鼻吸い器のノズルを水平からやや下方向に向けて差し込みます

鼻は上咽頭の方向に地面に水平に空間があるので、水平に向けた方が鼻水をよく取り除けるからです。

鼻筋に沿ってノズルを当てると、空間が狭いので鼻水が吸いづらくなります。

ステップ3:吸引時はノズルの角度を変える

鼻吸い器のノズルを鼻に差し込んだら、吸引をしましょう。

そのとき、ノズルの角度を変えて鼻水の貯まっているポイントを探しながら、吸引すると鼻水を満遍なく取ることができます。

また、鼻水が吸い辛い時は、小鼻を横に引っ張って鼻の穴を広げるのがおすすめです。

ステップ4:数回に分けて吸う

一度に全ての鼻水を吸おうとせず、数回に分けて吸引しましょう。

鼻吸い器を長時間連続して使い続けると、頭痛や耳の痛みを引き起こす恐れがあるからです。

鼻吸い器は1回あたり3秒程度にとどめて、子どもの様子を伺いながら吸引します。

鼻吸い器の選び方

鼻吸い器のタイプは4種類あり、それぞれさまざまなメーカーが多くの製品を出しています。

そのため、どの鼻吸い器を選べばよいのか分からない人も少なくないでしょう。

ここからは、鼻吸い器を選ぶときのポイントを見ていきましょう。

吸引力の強弱

鼻吸い器を選ぶ時には、吸引力の強弱を確認して選びましょう。

なぜなら、電動と手動の鼻吸い器では吸引力に大きな差が生じるからです。

電動の鼻吸い器は、吸引力が強いので短時間で子どもの鼻水を取れます。

ただ使い方を誤ると鼻の粘膜を傷つけたり、気圧の変化で頭痛や目の痛みが伴ったりするので注意が必要です。

一方、口吸いタイプでは、パパやママが吸引力を調節できます。

安全に使えますが吸引力が弱く、鼻の奥に詰まった鼻水が吸い切れないので、電動タイプよりも頻回に使用する必要があるでしょう。

手入れパーツの数

鼻吸い器を選ぶ時には手入れパーツの数がなるべく少ないものを選びましょう。

なぜなら、手入れパーツが細かく多いものを選んでしまうと洗浄に時間がかかりますし、管理も大変です。

子どもが誤飲してしまうリスクもあります。

こまめに使うのでパーツが少なく、パパやママの負担にならないものを選ぶとよいでしょう。

教えて院長先生!よくある質問Q&A

子どもの鼻吸い器についてよくある質問を院長先生にお答えいただきます。

家庭用の鼻吸い器は吸引が強いものを選ぶのがよいのでしょうか?

吸引力が強いほうが良いと思います。口で吸うもので、なかなか吸えないという経験をされているかたもおおいと思います。

子どもの鼻水・鼻づまりで病院受診をする目安を教えてください。

子どもの鼻がつまって夜眠れない、鼻がのどに流れて咳がひどいといった症状がある場合は早めに受診しましょう。

鼻を吸うほど鼻の炎症も治りやすいのでご自分で吸えない場合は積極的に受診された方が良いと思いますし、中耳炎を併発している場合は特におすすめします。

まとめ

自分で鼻をかめない子どもは、鼻水の排出を鼻吸い器でサポートしてあげるのがおすすめです。

鼻吸い器にはさまざまなタイプや製品があるので、使いやすいものを選ぶとよいでしょう。

まとめ
  • 子どもは鼻の中の空間が狭く短いので鼻が詰まりやすい
  • 子どもの鼻水をそのままにしておくと鼻だけでなく目や耳にも影響がでる恐れがある
  • 1回の吸引では鼻水を取り切れないので数回に分けて取るようにする

子どもの鼻水が長引いたり、鼻水以外の症状がでたりしたら、感染症や鼻の病気にかかっているかもしれません。

早めに耳鼻科または小児科を受診し、鼻水の原因を突き止めましょう。

福岡市東区名島にお住まいで、子どもの鼻づまりについてお困りの方は、あだち耳鼻咽喉科へお気軽にお越しください。

鼻を吸うのは中耳炎の予防に大切であること、また吸引の回数に制限はないので、なるべく吸ってあげることをどこかに入れておいてください

ABOUT ME
【執筆・監修】医療法人あだち耳鼻咽喉科 院長 安達一雄
日本耳鼻咽喉科学会 / 専門医・指導医 身体障害者福祉法第15条指定医
補聴器認定医 / 補聴器適合判定医 / 九州大学耳鼻咽喉科 特任助教
国際医療福祉大学非常勤講師