耳掃除をしているとつい熱中してしまい後から痛みを伴うことがありますよね。
多くの場合、しばらくすると痛みが落ち着くのでそのままにしてしまう場合が多いのですが、中には傷口に細菌が付着してしまい炎症が慢性化してしまうことも。
そうなると、耳鼻科を受診しなければ完治しません。
今回は外耳炎で処方される痛み止めの種類や、外耳炎の原因、最近増えているコロナ禍での外耳炎患者について解説します。
目次
外耳炎の痛み止めにはどんなものがある?
外耳炎の痛み止めにはどんな種類の薬剤があるのでしょうか?
以下代表的な3つの薬剤について紹介していきます。
薬剤名 | アンビバ |
効能効果 | 小児科領域における解熱・鎮痛 |
一般名 | アセトアミノフェン |
製剤名 | アセトアミノフェン坐剤 |
用法用量 | 体重1kgあたり1回10~15mgを直腸に挿入する 投与感覚は4~6時間、1日総量として60mg/kgを限度とする |
禁忌 | 重篤な血液異常のある患者・重篤な肝障害のある患者・重篤な腎障害のある患者・重篤な新機能不全のある患者・本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者・アスピリン喘息 |
副作用 | ショック、アナフィラキシー、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、急性汎発性発疹性膿疱症、劇症肝炎、肝機能障害、黄疸、喘息発作の誘発、顆粒球減少症、間質性肺炎、間質性腎炎、急性腎障害 |
薬剤名 | カロナール |
効能効果 | 小児科領域における解熱・鎮痛 |
一般名 | アセトアミノフェン |
製剤名 | アセトアミノフェン錠 |
用法用量 | 1日3回、成人は1日900~1500mg(1日最高1500mg)小児は1日200mg/10kg(1日最高300mg/10kg)目安。痛み止め(頓服)原則1日2回まで 1回投与量は先ほどと同様 |
禁忌 | 血液・心臓・肝・腎障害・アスピリン喘息・消化性潰瘍 |
副作用 | ショック、アナフィラキシー、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、急性汎発性発疹性膿疱症、劇症肝炎、肝機能障害、黄疸、顆粒球減少症、間質性肺炎、間質性腎炎、急性腎障害 その他副作用:チアノーゼ、血小板減少症、血小板機能低下、悪心、嘔吐、食欲不振、過敏症 |
その他注意点 | アセトアミノフェンは肝障害(アルコール)に注意すること |
薬剤名 | ピリナジン |
効能効果 | 小児科領域における解熱・鎮痛 |
一般名 | アセトアミノフェン |
製剤名 | アセトアミノフェン錠・解熱・鎮痛・向精神薬・非ピリン系解熱鎮痛薬 |
用法用量 | 1日3回、成人は1日900~1500mg(1日最高1500mg)小児は1日200mg/10kg(1日最高300mg/10kg)目安 痛み止め(頓服)原則1日2回まで 1回投与量は先ほどと同様 |
禁忌 | 血液・心臓・肝・腎障害・アスピリン喘息・消化性潰瘍 |
副作用 | ショック、アナフィラキシー、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、急性汎発性発疹性膿法膿疱症、劇症肝炎、肝機能障害、黄疸、顆粒球減少症、間質性肺炎、間質性腎炎、急性腎障害、チアノーゼ、血小板減少症、血小板機能低下、悪心、嘔吐、食欲不振、過敏症 |
その他注意点 | アセトアミノフェンは肝障害(アルコール)に注意すること |
以上のように、解熱鎮痛剤が痛みを和らげる対症療法として処方されることが多いでしょう。
あくまでも痛みを取り除くことが目的であり、一緒に抗菌剤やステロイド剤等の抗炎症剤が処方される傾向があります。
外耳炎の痛み止めは市販薬でもいい?
外耳炎の痛み止めには市販薬でもよいのでしょうか?
夜間や休日など病院をすぐに受診できないこともあるので、外耳の痛みが現れた場合は市販薬を使うことをおすすめします。
自宅にある発熱、痛みに効果がある薬を使用するとよいでしょう。
市販薬にはセデス、バファリン、イブなどがあります。
市販の頭痛薬が自宅にある場合、使用して痛みを抑えることが大切です。
自宅だけで市販薬を使って早く治したいものですが、自己判断は禁物です。
夜間、休日が明けて病院に行ける状況になったときはすぐに耳鼻科に行くようにしましょう。
外耳炎の治療は痛みを和らげるほか、炎症を抑える必要もあり、家庭では判断がつきません。
夜間、休日など病院を受診できない時に、市販薬の痛み止めを上手に利用しましょう。
外耳炎による耳の痛みの原因
外耳炎による耳の痛みの原因はどのようなものがあるのでしょうか?
大人と子どもでは外耳炎の原因が異なります。
子どもでは外耳道の細菌感染による炎症、大人では細菌感染の他に真菌(カビ)が原因の感染が多い傾向にあります。
外耳道(耳の穴の皮膚)の皮膚は薄いので、外界からの刺激に弱いのです。
耳かき、耳いじり、入浴、水泳等による刺激が外耳道に影響が出ると言われていますが、大人特有の外耳炎の要因としてはイヤホンも挙げられます。
ここからは、子どもの外耳炎、大人の外耳炎の原因について詳しく見ていきましょう。
子どもの外耳炎の原因
子どもの外耳道の皮膚は薄く刺激に弱い特徴があります。
耳かき、耳いじり、入浴、水泳などによる刺激が原因です。
刺激により外耳道に細かい傷ができ、そこから細菌が感染して外耳炎を引き起こします。
かゆみで頻繁に耳をいじる刺激が皮膚を傷つけてしまい、炎症が拡大すると慢性化してしまう恐れもあるので注意が必要です。
小さな子どもの場合、耳を触る仕草、耳の穴の周辺の耳だれによるこびりつき、耳の匂いに気づくことが多いでしょう。
大人の外耳炎の原因
大人の外耳炎は、細菌や真菌(カビ)による感染です。
子どもの原因との違いは、真菌が原因のケースがあることです。
真菌(カビ)が発生する原因の1つに、イヤホンの利用があります。
イヤホンを長時間利用することにより、耳内の換気が充分に行われず湿潤してしまい真菌が増えてしまうのです。
子どもと同様、炎症が広がる悪循環に陥ると慢性化してしまう恐れがあります。
外耳炎の症状や治療法
外耳炎の主な症状として、耳だれ、耳閉感、耳の痛みなどがあります。
急性では痛みを伴い、場合によって頭痛を伴うケースがあり、慢性では頑固なかゆみを伴うこともあります。
外耳炎の治療には、外耳道の清浄・洗浄が挙げられます。
細菌が原因の場合は、抗生剤やステロイド剤が含まれた軟膏、点耳薬が処方されます。
真菌(カビ)が原因の場合は、抗真菌薬が処方されるでしょう。
抗生剤、消炎鎮痛剤、かゆみ止めである抗ヒスタミン剤の内服薬を使用するケースもあります。
外耳炎の治療期間は、通常では10日間程度必要とすることが多いです。
真菌(カビ)が生じた外耳真菌症の場合では、中には慢性化したり治療に数ヵ月かかるケースもあるようです。
万が一慢性化してしまった場合は、病院に通院し根気よく治療する必要があります。
コロナ禍で外耳炎の患者が急増!その原因は?
昨今のコロナ禍で外耳炎の患者が急増しています。
外耳炎の原因にはどのようなものがあるのでしょうか?
結論から言うと、原因としてイヤホンを使う機会が急激に増加したことが挙げられます。
コロナ禍により在宅勤務、対面だった業務等がリモートワークに切り替わったり、学生はオンライン授業を受ける現状が多くなりました。
具体的に、イヤホンの使用が長時間になるシーンは「ゲーム、動画、ラジオ視聴」「通学通勤などの移動時」「オンライン会議、授業」が挙げられます。
その症状としては、耳の中のかゆみ、耳鳴り、耳の聞こえづらさがあるようです。
一日のイヤホンの平均時間が長い人ほど病院を受診した割合が高いと言えます。
リモートワークやオンライン授業でイヤホンを使用する機会が増え、病院を受診する人が後を絶たない現状です。
以前までは耳かき等が原因でしたが、コロナ禍で状況が一変。
耳の穴の形には個人差があり、イヤホンの既製品と合わない人も多くいます。
皮膚とイヤホンが触れる部分には、強い力がかかり傷つきやすくなる傾向があるのです。
イヤホンの着脱でさらにダメージを受け、傷ついた部分から細菌が入ることによって外耳道炎を引き起こしてしまいます。
コロナ禍のリモートワークやオンライン授業が生み出してしまった負の副産物と言えるでしょう。
コロナ禍の外耳炎対策
コロナ禍のリモートワーク、オンライン授業によるイヤホン使用による外耳炎の対策としては以下の方法があります。
- ヘッドホン、スピーカーに変更
- イヤホンは耳の穴に挿入しないタイプの骨伝導、耳に引っかけるタイプのものを選ぶ
イヤホンによる深刻な外耳炎防止のために、対策を取る必要性があるでしょう。
まとめ:外耳炎で痛みを伴ったらすぐに耳鼻科に受診しよう
外耳炎の痛み止め、痛みの原因、症状や治療法、コロナ禍が及ぼした外耳炎の影響について解説してきました。
他の疾患に比べると、耳の疾患は一度罹ってしまうと治りにくい傾向があります。
- 子どもの外耳炎は細菌が、大人の外耳炎は真菌が原因であることが多い
- 外耳炎の治療は洗浄や投薬が挙げられ治るまで10日前後必要
- コロナ禍によりイヤホンを使う機会が増えて外耳炎患者が急増
外耳炎が悪化して慢性化してしまうと、治療に長い期間を要してしまう可能性もあります。
外耳炎で痛みを伴った場合は、我慢したり自己判断するのではなく早めに耳鼻科を受診するようにしましょう。