新型コロナワクチンの高齢者への接種が開始され、今後は接種対象者がさらに拡大される予定ですが、気になるのはその効果ではないでしょうか。
そこで今回は新型コロナウイルスワクチンの効果について詳しくまとめました。
あらかじめワクチンの効果について確認し、新型コロナウイルスのワクチン接種に備えましょう。
新型コロナウイルスワクチンを接種するにあたって、知っておくべき注意点についても解説していますので、最後までぜひご覧ください。
目次
新型コロナウイルスワクチンは効果あり?
国内で接種が始まったファイザー社の新型コロナウイルスワクチンには、発症を予防する効果が95%あると報告されています。
接種しない場合と比較して発症する人の割合を95%減らし、発症リスクを20分の1まで減少できるのです。
インフルエンザワクチンの発症予防効果が50%であることを考えると、これは非常に高い効果があるといえるでしょう。
また発症しても、ワクチンにより重症化を予防する効果があるので、医療崩壊を食い止めることも期待できます。
ただし、現段階では感染を予防するかどうかは明らかになっていません。
しかし、一定程度の感染予防効果もあるのではないかとも考えられています。
新型コロナウイルスワクチンは変異株にも効果あり
最近のニュースで話題となっている、新型コロナウイルスの変異株へのワクチン効果ははっきりはしていないものの、無効というわけではありません。
なぜなら、そもそもウイルスは絶えず変異を起こすものであり、少しの変異でワクチンが無効となることは考えにくいからです。
発症リスクが多少落ちる可能性は指摘されていますが、ある程度の効果はあるといっていいでしょう。
また、各製薬会社は変異株にも対応したワクチンの開発を進めています。
新型コロナウイルスワクチンの副反応
新型コロナウイルスワクチンを受けるにあたって、多くの方が不安に思っているのが副反応ではないでしょうか。
副反応はワクチンによって免疫がきちんとついている証であり、程度の差はあれどほとんどの方に症状が起きるものと考えておくと安心です。
おもな副反応としては以下のような症状が挙げられます。
- 接種部位の痛み
- 接種部位の腫れ
- 体のだるさ
- 頭痛
- 発熱
- 筋肉痛
- 寒気
- 関節痛
- 吐き気
これらの症状は接種後1~2日目にあらわれ、1回目より2回目の接種、年齢が若い方ほど副反応が出る傾向があります。
しかしほとんどが3日以内に症状が改善します。また、発熱時には解熱剤を使っても問題ありません。
多くの副反応が比較的軽い症状で済む一方で、アナフィラキシーと呼ばれる強いアレルギー反応があらわれることもあります。
アナフィラキシーとは次のような症状が急速にあらわれることです。
- じんましんなどの皮膚・粘膜症状
- 血圧低下などの循環器症状
- 嘔吐や腹痛などの消化器症状
- 咳や呼吸苦などの呼吸器症状
これらの症状は接種後、30分以内に出現するケースがほとんどで、適切な治療を受けることで改善します。
アナフィラキシーショックについて不安に思われる方も多いかもしれませんが、ファイザー社のワクチンにおいては、その頻度は約100万回に4.7回と非常に低くなっています。
万が一症状が出た場合でもきちんと対応することによって、速やかに回復できるので、そこまで不安になることはないでしょう。
新型コロナウイルスワクチンの接種会場は、万が一に備えて対応できるよう十分な準備が整えられています。
新型コロナウイルスワクチンは2回接種で効果を発揮
新型コロナウイルスワクチンは2回の接種が必要です。
1回のみの接種では50%の効果しか得られません。
2回接種することで1回目の接種でつくられた免疫が増加し、95%の発症予防効果を得ることができます。
3週空けて2回接種を受ける必要があり、2回目は発熱や倦怠感などの副反応が強く出やすい傾向にあります。
1回目の接種でも副反応が出る場合がありますが、その場合でも2回目の接種を受けることは可能です。
ただし1回目の接種で血圧低下や意識レベル低下などのアナフィラキシーショックが出た場合、2回目の接種は受けられません。
新型コロナウイルスワクチンの効果が持続する期間
ファイザー社によると新型コロナウイルスワクチンの効果の持続期間は2回目の接種後、6ヶ月は高い効果が維持できたと報告されています。
しかしこの効果が6ヶ月以上続くかどうかはまだ不明であり、場合によっては追加接種が必要となる可能性もあるかもしれません。
新型コロナウイルスワクチンは、インフルエンザワクチンと異なり、臨床試験や実際の接種が始まってから時間が経っていないので、持続期間については不明な点が多いのが現状です。
今後、接種が進むことで詳細が明らかになってくると考えられます。
新型コロナウイルスワクチン接種後も感染予防は徹底しよう
新型コロナウイルスワクチンを接種した後でも、これまでと同じように感染予防対策を徹底する必要があります。
なぜなら、ワクチン接種後も新型コロナウイルスの抗体ができるまで2週間ほどかかるためです。
つまり1回目の接種後、2週間はワクチンを接種していない状態と変わりません。
ワクチンの効果が十分に得られるようになるには、2回目の接種後1週間を経過してからと考えられています。
とはいえ接種から1週間経てば感染対策は不要になるというわけではありません。
その理由として、抗体ができても100%感染しないわけではなく無症状あるいは軽症の患者となる可能性があるという点が挙げられます。
前述したように、ワクチンには感染を防ぐ効果があるかはっきりせず、現在のように感染が拡大している状況では感染や発症のおそれは十分にあります。
また、社会全体が抗体を獲得し、免疫を得るまでにはまだしばらく時間がかかり、たとえ発症しなくても感染した状態では周囲へ感染を広げるおそれがあることも理由のひとつです。
新型コロナウイルスワクチンを接種後も、マスクや手洗い、密を避けた行動をとるなど、これまでと同じように感染対策を徹底しましょう。
新型コロナウイルスワクチンの接種は強制なの?
新型コロナウイルスワクチンの接種は強制ではありません。
しかし、発症予防効果などワクチン接種のメリットが、副反応のデメリットよりも大きく、自分や周囲への感染リスクを減らすために積極的な接種をおすすめします。
2020年12月の改正予防接種法において、新型コロナウイルスワクチンの接種は「努力義務」が課せられました。
これは接種を受けるよう努める必要があるという内容ですが、最終的には本人が納得した上で接種するかどうかを判断します。
接種する人が多ければ多いほど集団免疫の獲得につながり、感染の拡大を防ぐ効果が期待できます。
新型コロナウイルスワクチンは接種できない特定の疾患は基本的にありません。
アレルギーや基礎疾患、妊娠中(12週以降)や授乳中、服薬中であっても接種することが可能です。
むしろ心臓や腎臓、肝臓などに基礎疾患がある方は感染後の重症化リスクが高いため、積極的なワクチンの接種をおすすめします。
また、一度新型コロナウイルスに感染した人でも接種することができます。
ただし以下のような方は接種できないため、あらかじめ確認しておきましょう。
- 当日明らかな発熱がある(37.5℃以上)
- 重い急性疾患がある
- 他のワクチンを2週間以内に接種した
- 1回目のワクチン接種後にアナフィラキシーショックがあらわれた
また、注意すべきかたは以下のような既往のあるかたです。
- 抗凝固療法を受けている人、血小板減少症または凝固障害(血友病など)のある人
- 過去に免疫不全の診断を受けた人、近親者に先天性免疫不全症の方がいる人
- 心臓、腎臓、肝臓、血液疾患や発育障害などの基礎疾患のある人
- 過去に予防接種を受けて、接種2日以内に発熱や全身性の発疹などのアレルギーが疑われる症状がでた人
- 過去にけいれんを起こしたことがある人
- 本ワクチンの成分に対して、アレルギーが起こるおそれがある人
また、16歳未満は接種対象ではありませんが、12歳以上で効果があったとの報告もあり、今後の感染状況によっては対象になる可能性もあります。
不安な点があればかかりつけの医師や市町村の窓口などに相談しましょう。
また、厚生労働省のコールセンターも開設されています。
厚生労働省 「新型コロナワクチンコールセンター」
0120-761770
土日や祝日も対応しており、9:00~21:00に相談を受け付けています。不安に思う点があれば、相談した上で接種するかどうかを判断するとよいでしょう。
まとめ:新型コロナウイルスワクチンは2回接種で感染リスクを軽減!積極的に接種しよう
新型コロナウイルスワクチンは高い発症予防効果があると報告されています。
副反応を不安に思う方も多いかもしれませんが、接種せずに感染・発症した場合と比較すると、そのリスクの大きさは歴然です。
- 新型コロナウイルスワクチンは積極的な接種がおすすめ
- 不安があればかかりつけの医師や国、自治体の窓口に相談しよう
不安に思う点は前もって解消し、納得した上で新型コロナウイルスワクチンを接種しましょう。