のどの調子が悪いときはまずはのど飴に頼る、という方も多いのではないでしょうか。
確かにのど飴を舐めると、のどがうるおって調子がよくなるような気がしますよね。
最近ではさまざまなのど飴が店頭に並びますが、「どれを選んでも変わらないでしょ?」とのど飴を味や見た目だけで選んでいませんか?
じつはのど飴は3つの種類に分類され、それぞれに効果や特徴が異なります。
また、舐め方によってはのどの調子を悪化させることもあり、のど飴と正しく付き合うことも重要です。
今回はのど飴をテーマに、効果や種類、注意点などについて詳しく解説しましょう。
目次
のど飴の効果
のど飴は、配合されている成分にもよりますが、次のような効果が期待できます。
- のどの痛み・炎症の緩和
- のどの抗菌
- リラックス効果
のど飴の有効成分は、空気の通り道である気道と食べ物の通り道である食道の分かれ道の手前にある咽頭に働きかけます。
咽頭で吸収された成分が、のど全体に働きかけ、炎症を抑えたり粘膜を保護したりして、のどの症状を和らげます。
のど飴の種類
のど飴には3つの種類があり、それぞれに効果や成分、味などが異なります。
また、薬局やドラッグストアでしか購入できないタイプもあります。
のどの調子と相談し、症状や期待したい効果に応じて次の3つの種類からのど飴を選びましょう。
医薬品
医薬品ののど飴には、有効成分による効能や効果が認められています。
咳や痰、のどの痛みなどの症状改善に効果が期待できる成分が含まれており、製造・販売ともに国の承認が必要です。
薬局やドラッグストアでのみ購入できます。
市販薬と同じ扱いになり効果が高い分、副作用のリスクもあるため、服用には注意も必要です。
医薬部外品
医薬部外品ののど飴には、医薬品に準じた有効成分が配合されています。
症状改善よりも予防を目的とし、医薬品に比べて効き目もおだやかなのが特徴です。
副作用の心配が極めて少なく、手軽に購入できる点がメリット。
製造には国の承認が必要ですが販売には許可が不要なため、薬局やドラッグストアだけでなく、コンビニやスーパー、通信販売などで気軽に購入できます。
食品
食品ののど飴は、有効成分は配合されておらず、効能や効果は認められないお菓子の一種です。
はちみつやハーブなどのどに良いとされる成分が含まれていますが、医薬品や医薬部外品ののど飴のような効果がありません。
しかし、さまざまな味や食感を楽しめるのが食品ののど飴の持つメリットのため、乾燥対策や気分転換にはおすすめです。
のど飴は舐めすぎに注意
のど飴は何個も続けて舐めると逆効果となる場合があり、注意が必要です。
のど飴を舐めすぎるとどんなリスクがあるのか詳しく見ていきましょう。
ウイルスや細菌に感染しやすくなる
のど飴を舐めすぎると、菌やウイルスを排除するせん毛の働きが悪くなるため注意が必要です。
のどの粘膜には体外から侵入してきた異物を排除するせん毛が生えており、口腔内の唾液中の粘液はこのせん毛を保護する役目を持っています。
しかしのど飴など食べ物が口腔内に入ってくると、唾液の中の粘液は「消化」という役目も負うようになり、せん毛の保護がおろそかになってしまいます。
その結果、菌やウイルスが体内に侵入しやすい状態になってしまい、感染症にかかるリスクが高くなってしまうため注意が必要です。
のど飴の配合成分が口内やのどを傷める
のど飴を舐めすぎると、配合成分が過剰に溶けだして、舌やのどを傷める恐れがあるため注意が必要です。
とくに有効成分が多い医薬品や医薬部外品ののど飴を舐めすぎると、過剰摂取による副作用が出る場合もあります。
医薬品・医薬部外品ののど飴は症状が改善されたら、舐め続けないようにしましょう。
のど飴の糖分で虫歯・血糖値上昇・肥満のリスク
のど飴を舐めすぎると、虫歯や血糖値上昇・肥満のリスクが高くなります。
のど飴には砂糖や水飴などでコーティングされたものが多く、虫歯の原因や糖分の過剰摂取にもつながるためです。
また糖分によって唾液がべたついたり、痰がからんだような声になったりすることもあります。
その時は、水分をとると改善されます。水を飲んでものど飴の効果が減るようなことはありませんのでご安心ください。
のどの乾燥を防ぐという点においては、のど飴の代用としてガムにも同じ効果が期待できます。
妊婦さんとのど飴との付き合い方
医薬品ののど飴の場合、妊娠中の服用には注意が必要です。
妊娠中は女性ホルモンの影響により、虫歯になりやすかったり、妊娠糖尿病になったりするリスクがあるためです。
そのため、医薬品のど飴の中には、妊娠中の服用を推奨していないものも多数あります。
医薬部外品も基本的には、妊娠中に服用できますが、念のため医師や薬剤師に相談しておくと安心です。
食品ののど飴はとくに用法や用量は定められておらず、医師や薬剤師への相談も不要ですが、摂取しすぎには注意しましょう。
のど飴の正しい舐め方
のど飴は正しく舐めることで、その効果を最大限に発揮します。
とくに次の2つの点に注意し、のど飴と正しく付き合いましょう。
症状に合ったのど飴を選ぶ
のど飴は症状に合ったものを選びましょう。
医薬品や医薬部外品ののど飴を選ぶ際は、あらかじめ効果や効能をきちんとチェックしておくことが重要です。
また、食品ののど飴は症状改善の効果は見込まれないため、効能や効果を期待するなら医薬品や医薬部外品のタイプを選びましょう。
2時間以上の間隔を空ける
医薬品や医薬部外品ののど飴は一回の服用後、2時間以上の間隔を空けて服用する必要があります。
前述したように、効果を期待するあまり、立て続けに何個も舐めるのは逆効果。
つい「のど飴だから」とおやつ感覚でいくつも口に入れてしまいそうになりますが、一般的な薬と同じように用法用量を守って服用することを忘れないようにしましょう。
また、食品に分類されるのど飴であっても食べ過ぎはNGです。
のど飴で症状が改善しない場合は耳鼻咽喉科へ
のど飴を舐めても症状がなかなか改善しない場合は、できるだけ早めに耳鼻咽喉科へ相談することをおすすめします。
咳やのどの痛みくらいとのど飴だけで対処していると症状が長引き、悪化してしまうことも少なくありません。
できるだけ早く治療することが、早い症状改善につながります。気になる症状があらわれたら、早めに受診しましょう。
のど飴についてよくある質問とその回答
のど飴についてよくある質問とその回答をあだち耳鼻咽喉科の院長先生にお答えいただきます。
のど飴とトローチの違いは?
一般に処方されるトローチは陽イオン界面活性剤であり、殺菌、消毒作用を有していますが、一般的なのどあめはそれらの作用はありません。
のど飴はいつまで舐め続ければよいの?
いつまでというのはありませんが、逆効果になることもあるため、漫然と舐め続けるのは避けるべきと思われます。
まとめ
のど飴は3種類にわけられ、それぞれ特徴が異なります。
容量・用法を守り正しく舐めることでのどの痛みや乾燥などの症状を改善します。
- 妊娠中は医薬品・医薬部外品ののど飴の服用に注意する
- 症状に合ったのど飴を選ぶことが重要
- のど飴を舐め続けると逆効果
のどの調子を改善したい場合は「医薬品」、予防したい場合は「医薬部外品」、乾燥対策には「食品」といった具合に、症状やシーンに合わせてのど飴を使い分けるといいでしょう。
また、のど飴を舐め続けても症状が改善されない場合は、最寄りの耳鼻咽喉科へ受診しましょう。のどの症状が悪化していたり、別の病気が隠れている可能性があります。
福岡県東区名島にお住まいで、のどの乾燥や痛みでお悩みの方は、あだち耳鼻咽喉科へお越しください。
あだち耳鼻咽喉科では、のどの痛みやイガイガ、声のかれに関する診察や治療を行っています。
のどの痛みや炎症が悪化すると、炎症が広がり副鼻腔炎や気管支炎につながる可能性があります。
のどの痛みや違和感がある場合は、早めに病院受診しましょう。
