医療法人あだち耳鼻咽喉科

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院長コラム

うがいは風邪予防に効果あり!正しい手順と方法、注意点とは

風邪が流行する季節、うがいで予防しようといった啓発が積極的におこなわれますが、「うがいなんて気休めでしょ?」としか捉えていない方も多いのではないでしょうか?

じつは、京都大学の研究グループによって、水道水によるうがいは風邪予防に有効であると実証されています。うがいは「気休め」ではなく、実際に効果のある風邪の予防対策です。

この記事でわかること
  • うがいが風邪予防に効果がある理由
  • 正しいうがいの手順
  • うがいをするときの注意点
  • インフルエンザにうがいが有効ではない理由

そこで今回はうがいをテーマに、その効用や正しいやり方とポイント、さらに「じつはうがいはインフルエンザに効果がない!?」というちょっと気になる話まで、詳しく解説します。

風邪予防に効果あり!うがいの効用とは

なぜうがいは風邪を予防するのに効果的なのでしょうか? うがいには次のようないくつかの効用があり、それらのはたらきによって風邪を予防すると考えられています。
それぞれについて詳しくみていきましょう。

1.のどの粘膜についた細菌やウイルスを洗い流す

うがいには、のどや口の粘膜に付着した細菌やウイルスなどを洗い流すという、物理的な洗浄効果があります。

また、ホコリなども粘液とともに追い出し、のどや口腔内を清潔に保つことができます。

2.のどにうるおいを与える

うがいは、のどから肺の粘膜や粘液にうるおいを与えます。

粘膜にはせん毛と呼ばれる細かい毛が生えており、せん毛はベルトコンベアのように細菌やウイルス、ホコリなどの異物を外へ運び出すはたらき(せん毛運動)を持ちます。

しかしのどが乾燥するとそのはたらきが鈍くなり、風邪をひきやすくなってしまいます。

うがいをすることで、のどにうるおいが与えられてはたらきが活発になり、風邪の予防につながるというわけですね。

3.粘液の分泌や血行を促す

うがいは、粘膜への適度な刺激となり、粘液の分泌や血行を促します。

ガラガラとのどの奥までうがいをすると、粘膜へ刺激が加わって粘液の分泌増加・血行増進につながります。粘膜や粘液のはたらきが活発化することで、異物を外へ排出する力も保たれ、風邪の予防につながります。

風邪予防の効果アップ! うがいの正しい手順と方法

うがいのやり方によっては効果が上がらないことも。せっかくうがいをするのであれば、正しい手順と方法でおこないたいですね。
以下、うがいの手順についてみていきましょう。

1.口を水に含み、強くグチュグチュしながら洗い流す

まずは口腔内に潜んでいる食べかすなどの汚れを洗い流しましょう。2〜3回おこなうと効果的です。

2.もう一度水を口に含み、上を向いてガラガラうがいをする

のどの奥まで水が届くのを意識しながらガラガラとうがいしましょう。「アー」や「オー」と発声すると、上手にうがいができます。

3.10〜15秒ほどで吐き出す

2〜3回ガラガラうがいを繰り返し、のどの奥の水がぬるくなったと感じたら(10〜15秒ほど)吐き出しましょう。

風邪予防効果を下げない!うがいの注意ポイント

次に、うがいする際に注意しておきたいポイントについてみていきましょう。

うがいの前に手洗いも忘れない

うがいをする前には忘れずに手洗いもおこないましょう。

手のひらに蛇口から出る水を溜めて口に含み、うがいをする場合も多いですよね。もし、その手のひらに細菌やウイルスなどが付着していたら、せっかくのうがいの効果が半減するどころか、逆に風邪の原因となってしまうかもしれません。

手のひらや手の甲はもちろん、指の間や爪の先など細かい部分も念入りに洗うことが大切です。

うがいをするタイミング

うがいは、帰宅後だけでなく、勤務先・学校などに到着した際や、食事の前、掃除をした後などのタイミングでおこないましょう。乾燥が気になるときや、のどに違和感があるときなどにもうがいは効果的です。

また、風邪を引いている家族が家にいる場合には、これらのタイミングにかかわらず、こまめにうがいをすることをおすすめします。

うがいができない小さな子どもはこまめな水分補給を

とくにガラガラうがいは小さな子どもには難しいため、水やお茶などのこまめな水分補給でうがいの代わりにしましょう。

水分を摂取することで、細菌やウイルスも一緒に体内に入ってしまうのでは? とお思いかもしれませんが、胃に流れ込んで胃酸によって殺菌されるので心配ありません。

もちろん子どもだけでなく大人も、こまめに水分を摂ることで同じように効果が得られます。

水でも構いませんが、とくに緑茶がおすすめ。
2010年の静岡県立大学薬学部と社会福祉法人白十字会との共同研究により、緑茶を飲むことでインフルエンザ予防に効果があるとの結果が発表されています。

研究によると、緑茶に含まれるカテキンとテアニンがインフルエンザの発症を減少させる効果があるのだそう。
毎回急須でいれるのが面倒なら、ティーバッグやペットボトルの緑茶でも問題ありません。上手に使って手軽にインフルエンザを予防したいですね。

風邪予防にうがい薬はいらない?

風邪予防のためにはうがい薬を使う必要はなく、水でのうがいで十分に効果的です。

前述した京都大学の研究グループの臨床実験で、ヨード液うがい薬でのうがいよりも、水うがいの方が風邪予防には効果的であると認められました。

実験で「水うがい」「うがいをしない」「ヨード液うがい薬でのうがい」の3つのグループに振り分けたところ、水うがいグループは、うがいをしないグループに比べ、約40%も風邪の発症を抑えました。

一方、ヨード液うがい薬のグループでは、うがいをしないグループに比べて風邪の発症を抑えた割合は、約12%にとどまったという結果になりました。

水でのうがいがなぜ風邪予防に有効なのか、そのメカニズムまでは解明されていません。
ヨード液うがい薬では、もともと存在する常在菌まで殺菌してしまうことなどが原因ではないかと考えられています。

もちろん、風邪をひいてのどが炎症を起こし痛むときなどはうがい薬を使った方がよい場合もあります。医師の指示に従って、適切に使うことが大切です。

インフルエンザにうがいは効果なし!?

ここまで風邪予防にうがいが効果的だと説明してきましたが、じつはインフルエンザ予防においては有効とは限りません。

厚生労働省が呼びかけるインフルエンザ予防対策は、

  1. 流行前の予防接種
  2. 外出後の手洗い等
  3. 適度な湿度の保持
  4. 十分な休養とバランスのとれた栄養摂取
  5. 人混みや繁華街への外出を控える

(引用:『厚生労働省 インフルエンザQ&A』

の4点であり、とくにうがいは励行されていないことがわかります。

理由としては、インフルエンザウイルスは粘膜に付着してから数分〜20分程度で体内に侵入してしまうため、うがいで洗い流す方法は現実的でないという点が挙げられます。

とはいえ、インフルエンザが流行する時期は、風邪が流行する時期。風邪予防のためにも、こまめなうがいを心がけましょう。

まとめ

風邪をひいてしまうと、仕事や家事など身の回りのことが滞ってしまい、後から生活の流れを取り戻すのが大変。

また、年齢を重ねるごとに風邪が治りにくくなってきた、風邪をひきやすくなってきたと感じている方も多いのではないでしょうか。

風邪は予防が大切。手軽なうがいを毎日の習慣にするのがおすすめです。

まとめ
  • うがいは風邪を予防するさまざまな効用がある
  • うがいで風邪を予防するには正しい方法と手順が重要
  • 風邪予防が目的の場合はうがい薬より水が効果的
  • インフルエンザ予防にうがいはあまり効果がない

うがいは正しいやり方と手順を守り、しっかり風邪を予防したいですね。

ABOUT ME
【執筆・監修】医療法人あだち耳鼻咽喉科 院長 安達一雄
【執筆・監修】医療法人あだち耳鼻咽喉科 院長 安達一雄
日本耳鼻咽喉科学会 / 専門医・指導医 身体障害者福祉法第15条指定医
補聴器認定医 / 補聴器適合判定医 / 九州大学耳鼻咽喉科 特任助教
国際医療福祉大学非常勤講師