突然子どもが鼻血を出し、驚いた経験があるパパやママも多いのではないでしょうか?
子どもは鼻血を出しやすく不安になることもありますが、多くの場合は心配いりません。
とはいえ、突然真っ赤な血がわが子の鼻から出てくると、誰もが驚き病気や怪我でもしたのではないかと心配するものです。
子どもの鼻血の原因や適切な止血方法を知っておけば、突然の鼻血にも落ち着いて対応できます。
今回は子どもの鼻血(鼻出血)をテーマに、原因や止め方、病院へ行くべきケース、鼻血を出さないための対策などについて解説します。
目次
なぜ?子どもの鼻血が多い理由
子どもは鼻炎や風邪症状で鼻に違和感があると、鼻をかまずにこすったり、ほじったりしてしまうため鼻粘膜が傷つき出血します。
子どもの鼻血の多くは、鼻の入口鼻の入り口から5mm~1cmほどの「キーゼルバッハ部位」と呼ばれる部分からの出血です。
キーゼルバッハ部位は、粘膜が薄く血管が網目状に走っており、少しの刺激でも出血してしまいます。
子どもは大人に比べて免疫力が弱く、季節の変わり目や気温の変化で風邪症状があらわれやすくなります。
風邪症状があらわれると鼻の粘膜が炎症するため、少しの刺激で出血したりしてしまうのです。
その他にも温度変化や運動時の血圧上昇、夏場ののぼせ、興奮時などでも鼻から出血することがあります。
このように子どもの鼻粘膜はさまざまな刺激にさらされているため、大人よりも鼻血が出やすくなっています。
子どもの鼻血が止まらない!この症状が出たら病院へ
子どもの鼻血の多くは、適切な止血をすれば30分以内に治まります。
しかし、適切な止血をして30分以上経っても出血が止まらない場合には、医療機関を受診しましょう。
鼻血を頻回に繰り返す、鼻血とともにあざができやすいなどの症状が出ている場合も、鼻疾患や血液疾患が疑われます。
その他、次のような症状が見られる場合も早めに受診しましょう。
- 顔色が悪い
- 洗面器いっぱいほどの出血量
- 反応が鈍い
- 鼻の変形
- 数時間後や数日後に繰り返し出血する
頭部や顔面の外傷による鼻血、とくにさらさらとした色の薄い血液の場合には頭蓋底骨折などが考えられるため、救急車を呼ぶ必要があります。
意識がない、しっかりと呼吸ができずに顔色が悪い場合にも、急を要することがあるので、救急車で病院へ向かいましょう。
子どもの鼻血の適切な止血方法
子どもが鼻血を出したときには慌てず、落ち着いて対処しましょう。
大人が焦りや不安をみせてしまうと、子どもも不安になってしまい、血圧が上昇し鼻血が止まりにくくなってしまいます。
真っ赤な血を見て驚いている子どもを抱きしめて安心させることが大切です。
- 前かがみになり少し下の方を向いた姿勢をたもつ
- 人差し指と親指を使って、キーゼルバッハ部位のある小鼻部分をつまみ、10~15分ほど圧迫。(片側からの出血なら、出ている方の鼻だけでOK)
- 柔らかいガーゼやコットンなどを軽く詰める
よく鼻血が出たときに仰向きに寝かせることがありますが、これは鼻血がのどに流れ込んでしまいます。
鼻血を飲み込んでしまうと吐き気を誘発し、血圧を上昇させる原因にもなるのでやめましょう。
もし血液が喉にまわり口に溜まったら、飲み込まずに吐き出させるようにします。
またなかなか鼻血が治まらないときは、鼻の付け根を冷やすと血管収縮し、血が止まりやすくなります。
やったことあるかも?NGな鼻血の止血方法
「鼻血が出たら首筋をたたく」「仰向けに寝かせるとよい」など、よく聞くこれらの止血方法はNGです。
鼻血が出たら安静にすることが大事。首筋をたたいては安静が保てません。
仰向けに寝かせると血液が肺に流れ、危険なこともあります。
また鼻血が出たらティッシュを詰めることもあまりおすすめできません。
ティッシュを鼻に詰めると、取り除く際に紙片がくっついてしまい、粘膜を傷つけてまた出血してしまう恐れがあるからです。
鼻血をぬぐう際に使うのは構いませんが、鼻に詰める場合はガーゼや化粧用のコットンがおすすめです。
市販のワセリンをガーゼやコットンにつけておくと、粘膜を傷つけずに鼻からスムーズに抜き取ることができます。
鼻血が止まった後に気をつけたいこと
鼻血が止まった後、しばらくは鼻をかまないようにしましょう。
せっかく塞がった部分がはがれて、また出血してしまうことがあります。
また刺激のあるものやカフェインが含まれるものは、血圧上昇を誘発するため、しばらくは口にしないようにしましょう。
子どもにはむやみに鼻をほじらない、触らないことも伝えておきます。
鼻血が出た際の病院での診察や処置・治療
鼻血が止まらず病院を受診したら、出血の頻度や程度、他にかかっている病気がないか、これまでの病歴などの問診がおこなわれます。
受診前に左右どちらからの出血か、いつ頃からどのくらい出血しているかなどについて確認しておくとよいでしょう。
出血している部分が、キーゼルバッハ部位のように鼻の入り口近くである場合、硝酸銀などの薬を塗ったり、粘膜を電気メスで焼いたりして止血します。
さらに鼻の奥部分から出血している場合には、軟膏を塗ったガーゼで圧迫止血したり、止血用バルーンを使って血液の気道への流入を防いだりする治療法がおこなわれます。
鼻血を出さないようにするには?
普段の生活で、鼻血を出さないようにするにはどういった点に気をつければよいのでしょうか?
子どもに鼻をこすったりいじったりしないよう注意する
子どもの鼻血の主な原因が、鼻の粘膜を物理的に刺激することです。
とくに鼻をほじったり、鼻をこすったりしないようにしましょう。
鼻を強くかむのも鼻血の原因となることがあるのでご注意ください。
鼻の粘膜はデリケートで傷つきやすく、刺激によってただれたり炎症を起こしたりしてしまいます。
鼻を触っても粘膜を傷つけにくいよう、子どもの手の爪を短く整えておくのも鼻血の有効な予防法です。
鼻の乾燥対策
鼻の粘膜が乾燥すると、炎症が起こりやすくなり、鼻血の原因となってしまいます。
肌と合わせて鼻粘膜も乾燥対策をおこないましょう。
市販のワセリンを鼻の入り口に塗ると保湿効果が得られます。
また不織布ではなく、ガーゼタイプのマスクを着用するのもおすすめです。
まとめ
子どもの鼻血は、そのほとんどが鼻への刺激が原因です。
繰り返す鼻血は、風邪症状やアレルギー性鼻炎などで鼻がかゆくなっているせいかもしれません。
- 子どもの鼻血の多くは鼻粘膜を傷つけることにより起こる
- 子どもの鼻血が出たら安静にすることが大事
- 子どもの鼻血が止まらないときは耳鼻咽喉科へ受診
頻繁に鼻血が出たり、鼻をかゆがったりするようであれば、耳鼻咽喉科を受診してみるとよいでしょう。
アレルギー性鼻炎や花粉症などの鼻の疾患が見つかるかもしれません。
また鼻血が出た際には、鼻をしっかり圧迫してあげれば、多くの場合止血できます。
焦らず落ち着いて対処しましょう。