突然子どもが鼻血を出し、驚いた経験があるパパやママも多いのではないでしょうか?
子どもは鼻血を出しやすく、不安になることもありますが、多くの場合は心配いりません。
とはいえ、突然真っ赤な血が鼻から出てくると、子どもだけでなく大人も驚いてしまうもの。
そこで正しい鼻血の止め方を知っておけば、突然の鼻血にも落ちつてい対応することができます。
今回は鼻血(鼻出血)をテーマに、原因や止め方、病院へ行くべきケース、鼻血を出さないための対策などについて解説します。
目次
鼻血が出る原因
鼻血は10代以下の子どもか、60代以上に多くみられます。
子どもの鼻血の多くが鼻をいじることで、鼻粘膜を傷つけ、出血してしまうことが原因です。
特に夜寝ているときに、無意識に鼻をいじって出血し、枕を汚してしまうということも多いと思います。
また鼻をかんだり、鼻をこすったりすることも原因となります。
基本的には感冒罹患時や副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎があるような場合に、鼻の粘膜が弱くなっていることが関係していることも多いです。
とくに鼻の入り口から5mm~1cmほどの「キーゼルバッハ部位」には、粘膜が薄く血管が網目状に走っており、とくに出血しやすい場所です。
鼻血の約90%はキーゼルバッハ部位からの出血といわれています。
その他にも温度変化や運動時の血圧上昇、夏場ののぼせ、興奮時などにも鼻から出血することがあります。

その他の原因
鼻粘膜への物理的な刺激の他にも、ごくまれですが次のような原因で鼻血が出ることがあります。
- 鼻や副鼻腔内の腫瘍(若年性血管繊維種など)
- 生まれつき血管が脆弱である(オスラー病)
- 白血病
- 紫斑病などの疾患
- 薬の服用により出血が止まりにくい状態になっている
冬は鼻血が出やすい季節
12月から2月にかけて、空気が乾燥しやすい冬の季節は、鼻の粘膜がダメージを受けやすいため、鼻血が出やすくなります。
また血圧が上がりやすい季節であることも原因のひとつです。
鼻血の正しい止め方は?
子どもが鼻血を出したときには慌てず、落ち着いて対処しましょう。
大人が焦りや不安をみせてしまうと、子どもも不安になってしまい、血圧が上昇し鼻血が止まりにくくなってしまいます。
真っ赤な血を見て驚いている子どもを抱きしめて安心させることが大切です。
- 人差し指と親指を使って、キーゼルバッハ部位のある小鼻部分をつまみ、10~15分ほど圧迫。(片側からの出血なら、出ている方の鼻だけでOK)
- 柔らかいガーゼやコットンなどを軽く詰める
- 前かがみになり少し下の方を向いた姿勢をたもつ
- 血液が喉にまわり口に溜まったら、飲み込まずに吐き出させる
鼻血を飲み込んでしまうと吐き気を誘発し、血圧を上昇させる原因にもなってしまいます。
やったことあるかも?NGな鼻血の止め方
「鼻血が出たら首筋をたたく」「仰向けに寝かせるとよい」など、よく聞く方法はNGです。
鼻血が出たら安静にすることが大事。首筋をたたいては安静が保てません。
仰向けに寝かせると血液が肺に流れ、危険なことも。
また鼻血が出たらティッシュを詰めることもあまりおすすめできません。
ティッシュを鼻に詰めると、取り除く際に紙片がくっついてしまい、粘膜を傷つけてまた出血してしまうことがあるからです。鼻血をぬぐう際に使うのは構いませんが、鼻に詰める場合はガーゼや化粧用のコットンがおすすめです。
とくに市販のワセリンをガーゼやコットンにつけておくと、粘膜を傷つけずスムーズに鼻から抜き取ることができますよ。
鼻血がおさまった後に気をつけたい点
鼻血がおさまったあと、しばらくは鼻をかまないようにしましょう。
せっかく塞がった部分がはがれて、また出血してしまうことがあります。
また刺激のあるものやカフェインが含まれるものは、血圧上昇を誘発するため、しばらくは口にしない方がよいですね。
子どもにはむやみに鼻をほじらない、触らないことも伝えておきましょう。
鼻血が止まらない!こんなときは病院へ
キーゼルバッハ部位を圧迫して30分以上経っても出血が止まらない場合には、医療機関の受診をおすすめします。
また、出血を頻回に繰り返すような場合や、あざができやすいような場合も、血液疾患の除外を行うための検査を行うべきと思われます。
その他、次のような症状が見られる場合も早めに受診しましょう。
- 顔色が悪い
- 洗面器いっぱいほどの出血量
- 反応が鈍い
- 鼻の変形
- 数時間後や数日後に繰り返し出血する
さらに頭部や顔面の外傷による鼻血、とくにさらさらとした色の薄い血液の場合には頭蓋底骨折などが考えられるため、救急車を呼ぶ必要があります。
意識がない、しっかりと呼吸ができずに顔色が悪い場合にも、急を要することがあるので、救急車で病院へ向かいましょう。
鼻血が出た際の病院での診察や処置・治療は?
鼻血で病院を受診したら、出血の頻度や程度、他にかかっている病気がないか、これまでの病歴などの問診がおこなわれます。
受診前に左右どちらからの出血か、いつ頃からどのくらい出血しているかなどについて確認しておくとよいですね。
出血している部分が、キーゼルバッハ部位のように鼻の入り口近くである場合、硝酸銀などの薬を塗ったり、粘膜を電気メスで焼いたりして止血します。
さらに鼻の奥部分から出血している場合には、軟膏を塗ったガーゼで圧迫止血したり、止血用バルーンを使って血液の気道への流入を防いだりする治療法がおこなわれます。
鼻血を出さないようにするには?
普段の生活で、鼻血を出さないようにするにはどういった点に気をつければよいのでしょうか?
鼻の中をむやみにいじらない
子どもの鼻血の大きな原因が、鼻の粘膜を物理的に刺激すること。
とくに鼻をほじったり、鼻をこすったりしないようにしましょう。
鼻を強くかむのも鼻血の原因となることがあるので注意を。
鼻の粘膜はデリケートで傷つきやすく、刺激によってただれたり炎症を起こしたりしてしまいます。
鼻を触っても粘膜を傷つけにくいように、子どもの手の爪はいつも短く整えておきたいですね。
鼻の中も乾燥対策を
鼻の粘膜が乾燥すると、炎症が起こりやすくなり、鼻血の原因となってしまいます。
肌と合わせて鼻粘膜も乾燥対策をおこないましょう。
市販のワセリンを鼻の入り口に塗ると保湿効果が得られます。
また不織布ではなく、ガーゼタイプのマスクを着用するのもおすすめです。
まとめ
子どもの鼻血は、そのほとんどが鼻への刺激が原因です。
繰り返す鼻血は、アレルギー性鼻炎などによって鼻がかゆいせいなのかもしれません。
- 子どもの鼻血の多くは鼻粘膜を傷つけることにより起こる
- 子どもの鼻血が出たら安静にすることが大事
- 子どもの鼻血が泊まらないときは耳鼻咽喉科へ受診
頻繁に鼻血が出たり、鼻をかゆがるようであれば、耳鼻咽喉科を受診してみるとよいでしょう。
また鼻血が出た際には、鼻をしっかり圧迫してあげれば、多くの場合止血できます。
焦らず落ち着いて対処してあげたいですね。
