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のど

のどの痛みの原因と自宅でできるセルフケアをわかりやすく解説

のどの痛みが1週間以上続き、風邪薬を飲んでもなかなか良くならないと、「ただの風邪ではないのでは」と不安になるものです。

のどの痛みには、風邪やインフルエンザといった感染症のほか、乾燥や声の使いすぎ、アレルギー、胃酸の逆流など、実にさまざまな原因があります。

原因によって対処法や受診すべき診療科は異なるため、まずはご自身の症状の背景を知ることが大切です。

この記事では、のどの痛みが続く原因と、自宅でできるセルフケア、早めの受診が必要なサインについて、あだち耳鼻咽喉科の院長が解説します。

のどの痛みが続くときに考えられる主な原因

のどの痛みには、風邪のようなよくある症状から、悪化すると注意が必要な病気まで、さまざまな原因が考えられます。

ここで取り上げるのは、のどの痛みを引き起こす代表的な7つの原因です。

それぞれの特徴を知ることで、ご自身の症状がどのタイプに近いか見当をつけやすくなります。

風邪やインフルエンザによるウイルス感染

のどの痛みの原因としてもっとも多いのが、風邪やインフルエンザなどのウイルス感染です。

ウイルスがのどの粘膜に付着すると炎症が起こり、痛みや腫れにつながります。

風邪の場合はくしゃみや鼻水、軽い咳を伴うことが多く、数日ほどで自然に落ち着くのが一般的です。

一方でインフルエンザは、38度以上の高熱や関節痛、強いだるさが急に現れやすいという違いがあります。

ウイルス感染によるのどの痛みには、安静と十分な水分補給が効果的です。

溶連菌感染症などの細菌感染

溶連菌感染症は、溶血性連鎖球菌という細菌がのどに感染することで起こる病気です。

ウイルス性の風邪とは異なり、38度以上の急な発熱とのどの強い痛みが急速にあらわれます。

のどの奥に白い膿栓のようなものが付着したり、扁桃が赤く腫れたりする様子がみられる点も見分けるポイントです。

せきや鼻水はあまり出ないまま、のどの痛みだけが強く出るケースも珍しくありません。

放置すると合併症につながる場合があるため、抗菌薬による治療が必要です。

扁桃炎や咽頭炎による炎症

扁桃炎は、のどの奥にある扁桃という組織が炎症を起こす病気です。

細菌やウイルスへの感染が原因となることが多く、高熱とともに強いのどの痛みがあらわれます。

咽頭炎は、のどの粘膜全体に炎症が広がるタイプで、扁桃炎に比べて痛みが軽いのが特徴です。

ただ、ヘルパンギーナなどのウイルス性疾患に伴う場合は強い痛みを生じることがあります。

どちらも食べ物を飲み込むときに強い痛みを感じやすく、水分をとりにくく感じることもあります。

症状が重い場合は、炎症を抑える薬による治療が必要です。

また、口から水分が取れない場合は点滴による治療が有効であり、場合により入院治療が必要となります。

空気の乾燥によるのどへの刺激

空気が乾燥する季節は、のどの粘膜も乾きやすくなります。

粘膜が乾燥すると、ウイルスや細菌に対するバリア機能が低下し、炎症を起こしやすくなるという仕組みです。

エアコンの効いた部屋で長時間過ごしたり、口呼吸の習慣があったりすると、のどの乾燥はさらに進みます。

乾燥によるのどの痛みは、ヒリヒリとした違和感から始まる点にも注意が必要です。

加湿器の使用やマスクの着用によって、のどを乾燥から守ることができます。

声の出しすぎによる声帯の炎症

大きな声を出し続けたり、長時間しゃべり続けたりすると、声帯に負担がかかりのどが痛くなることがあります。

声帯は声を出すたびに振動しており、使いすぎることが炎症の主な原因です。

カラオケや大声での応援、接客業などで声を酷使した後に、のどの痛みや声のかすれを感じるケースがよくみられます。

声帯の炎症によるのどの痛みは、声を出すこと自体がつらく感じられる点が特徴です。

声を休ませて刺激を避けることで、多くの場合は数日のうちに落ち着いていきます。

アレルギー性鼻炎による後鼻漏の刺激

アレルギー性鼻炎があると、鼻の粘膜の炎症によって鼻水が増え、のどの奥へと流れ込みやすくなります。

後鼻漏とは、鼻水がのどの奥へ流れ込む状態のことで、のどの粘膜を刺激して痛みや違和感を引き起こす仕組みです。

花粉症の季節や、ハウスダスト・ダニなどのアレルゲンにさらされたときに症状が強く出やすい傾向があります。

後鼻漏によるのどの痛みは、朝起きたときのイガイガ感や、せき払いをしたくなる感覚を伴うのもよくあるパターンです。

鼻炎の治療を行うことで、のどの痛みもあわせて改善していきます。

逆流性食道炎による胃酸の刺激

逆流性食道炎は、胃酸が食道からのどの方向へ逆流することで起こる病気です。

胃酸には強い刺激性があるため、のどや食道の粘膜に炎症を起こしやすくなります。

食後にすぐ横になる習慣や、脂っこい食事、早食い、肥満などが逆流を起こしやすくする要因です。

逆流性食道炎によるのどの痛みは、酸っぱいものが上がってくる感覚やげっぷを伴うことがよくあります。

生活習慣の見直しや胃酸を抑える薬による治療が、症状改善の近道です。

ほかにも腫瘍性病変に伴うものや、魚の骨などの異物が存在する場合などもあります。

のどの痛みの原因が分からない場合の考え方

のどの痛みが続いていても、検査では明確な原因が見つからないことがあります。

原因がはっきりしないと、不安な気持ちが強くなるものです。

ここでは、原因不明とされた場合に考えられる背景を紹介します。

検査をしても原因不明とされるケース

のどの痛みがあっても、血液検査やのどの視診、内視鏡検査で明らかな異常が見つからないことがあります。

炎症がごく軽度な場合や検査のタイミングによっては、症状の原因が数値や画像に現れにくいことがあるためです。

しかしながら「異常なし」と言われても痛み自体がなくなったわけではなく、経過を見ながら再検査が必要になることもあります。

症状の変化を記録しておくことが、次の受診時に原因を探る手がかりになります。

ストレスや自律神経の乱れによる影響

検査で異常が見つからない場合、ストレスや自律神経の乱れがのどの違和感に関わっていることがあります。

緊張が続くとのど周辺の筋肉がこわばりやすく、痛みや締め付けられるような感覚につながることも原因の1つです。

ストレスによるのどの違和感は「咽喉頭異常感症」と呼ばれ、精神的な負担の影響を受けやすいとされています。

十分な休養を取り、ストレスをためない生活を心がけることで症状が改善されるでしょう。

のどの痛みが長引くときの受診科の選び方

のどの痛みが長引くと、何科を受診すればよいか迷う方も多いはずです。

症状の現れ方によって、適した診療科は変わってきます。

ここでは、受診先を選ぶ際の目安を紹介します。

耳鼻咽喉科を受診する目安

のどの痛みが1週間以上続く場合や、症状が繰り返し起こる場合は、耳鼻咽喉科の受診が向いています。

耳鼻咽喉科では内視鏡を使ってのどの奥まで直接確認できるためです。

扁桃炎や咽頭炎、後鼻漏など、のど自体に原因がある症状を詳しく調べられます。

声のかすれや飲み込みにくさを伴う場合も、専門的な検査を受けられる耳鼻咽喉科が適しています。

内科や他の診療科が適するケース

高熱や強いだるさなど、全身に症状が及んでいる場合はインフルエンザなどの感染症が疑われるため、まずは内科での受診も選択肢にはなりますが、耳鼻咽喉科でも診断、治療することは問題ないと思われます。

胸やけや酸っぱいものが上がってくる感覚を伴う場合は、逆流性食道炎の可能性があり消化器内科での相談が向いていることもあります。

症状に応じて適切な診療科を選ぶことが、早期の改善につながるでしょう。

早めの受診が必要な危険なサイン

のどの痛みの多くは自然に軽快しますが、中には早めの受診が必要な危険なサインもあります。

放置すると重症化するケースもあるため、次のような症状がある場合は注意が必要です。

ここでは、受診の目安となる4つのサインを紹介します。

高熱や吐き気を伴う場合

38度台後半以上の高熱に加えて、吐き気や嘔吐を伴う場合は、体への負担が大きいサインです。

溶連菌感染症や扁桃周囲膿瘍など、炎症が強く進んでいる可能性があります。

吐き気で水分や食事がとれない状態が続くことは、脱水症状につながる危険なサインです。

高熱と吐き気が重なる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

片側だけの強い痛みがある場合

のどの痛みが左右どちらか一方だけに強く出ている場合は、扁桃周囲膿瘍などの病気が隠れていることがあります。

扁桃の周りに膿がたまる扁桃周囲膿瘍は、放置すると呼吸がしづらくなるほど悪化するケースです。

片側の強い痛みに加えて、声がこもる、口を大きく開けにくいといった症状を伴うことも珍しくありません。

片側の強い痛みや口の開けにくさがある場合は、様子を見ずに早めの受診が必要です。

口が開けにくいなどの症状がある場合

口を大きく開けようとすると痛みが強まり、開けにくさを感じる場合は、扁桃周囲膿瘍や重度の扁桃炎が疑われます。

炎症が扁桃の周囲まで広がると、あごの動きに関わる筋肉にも影響が及ぶことがあるためです。

口の開けにくさに加えて、よだれが増える・声がこもるといった症状がみられることもあります。

気道が狭くなる危険性もあるため、早急に耳鼻咽喉科を受診してください。

特に呼吸困難感がある場合は、急性喉頭蓋炎という窒息の可能性がある重大な病気をともなう場合があるため、状況により救急車による受診も必要と考えます。

声のかすれが2週間以上続く場合

声のかすれが2週間以上続く場合は、単なる声帯の使いすぎではなく、別の病気が関わっている可能性があります。

声帯ポリープや声帯結節といった良性のできものが原因になっていることもあれば、まれに喉頭がんが隠れていることもあるためです。

喫煙歴が長い方や、声のかすれとともに血痰がみられる方は、とくに注意が必要なケースといえます。

声のかすれが長引く場合は、早めに耳鼻咽喉科で検査を受けましょう。

自宅でできるのどの痛みのセルフケア

のどの痛みを少しでも早く和らげるためには、日常生活でのセルフケアも欠かせません。

特別な道具がなくても、ちょっとした工夫で症状の悪化を防げます。

ここで紹介するのは、自宅で無理なく続けられる4つのセルフケアです。

こまめな水分補給で乾燥を防ぐ

のどの粘膜は乾燥すると炎症を起こしやすくなるため、こまめな水分補給が大切です。

一度に大量に飲むよりも、少しずつ回数を分けて水分をとると、のどの潤いを保ちやすくなります。

常温の水や白湯、はちみつを溶かした飲み物は、のどへの刺激が少なくおすすめです。

冷たい飲み物やカフェイン・アルコールを含む飲み物は、のどを乾燥させやすいため控えましょう。

のど飴やうがいでのどを保護する

のど飴をなめると唾液の分泌が促され、のどの粘膜を潤す効果が期待できます。

うがいは、のどに付着したウイルスや細菌、ほこりを洗い流すのに役立つ習慣です。

水だけのうがいでも十分な効果がありますが、殺菌成分入りのうがい薬を使うと効果を高められます。

外出先から帰宅した際や、乾燥が気になるときにこまめにうがいをする習慣をつけましょう。

十分な休養と睡眠をとる

のどの痛みがあるときは、体の免疫力を落とさないためにも、十分な休養を心がけることが重要です。

睡眠中は体の回復力が高まるため、いつもより早めに就寝することが症状の改善につながります。

無理に仕事や家事を続けると回復が遅れやすく、症状が長引く原因にもなりかねません。

症状がつらいときは、思い切って予定を調整し、体を休めることを優先しましょう。

避けたい生活習慣に注意する

のどの痛みがあるときに刺激の強い食べ物をとると、粘膜への刺激が増えて症状が悪化しやすくなります。

香辛料の効いた料理や、熱すぎる・冷たすぎる飲食物は、しばらく控えるのが望ましい習慣です。

喫煙や飲酒も、のどの粘膜を直接刺激するため、症状があるときは控えたほうが安心といえます。

部屋の乾燥や大声での会話も、のどへの負担につながるため気をつけましょう。

喫煙も喉を乾燥させるため、控えるべきと思われます

教えて院長先生 のどの痛みのよくある質問

のどの痛みについて、患者さんからよく寄せられる質問に院長がお答えします。

受診の目安やセルフケアで気になるポイントをまとめました。

ご自身の症状と照らし合わせながら参考にしてください。

熱がなくても受診したほうがよいですか?

痛みが数日間持続する場合、悪化する場合は受診をおすすめします

市販薬で対応する際の注意点はありますか?

ロキソニンはインフルエンザに対しては非推奨ですので注意が必要です

子どもと大人で対処法に違いはありますか?

こどもは内視鏡による評価が難しく、咽後膿瘍など小児特有の疾患もあるため、より慎重に対処します

まとめ

のどの痛みは、風邪やインフルエンザといった感染症から、乾燥や声の使いすぎ、アレルギー性鼻炎、逆流性食道炎まで、原因が多岐にわたる症状です。

同じ「のどの痛み」でも背景にある病気はさまざまで、自己判断だけでは見分けにくいケースも少なくありません。

そのため、痛みが長引くときや強い症状を伴うときは、耳鼻咽喉科で詳しく調べてもらうことが大切です。

まとめ
  • のどの痛みの原因は感染症・乾燥・声の使いすぎ・アレルギー・逆流性食道炎など多岐にわたる
  • 高熱や吐き気、片側だけの強い痛み、声のかすれが長引く場合は早めの受診が必要
  • 軽い症状であれば、水分補給やうがい、休養などのセルフケアで和らぐことも多い

セルフケアを試しても症状が改善しない場合や、危険なサインがみられる場合は、無理をせず耳鼻咽喉科を受診しましょう。

福岡市東区で、のどの痛みが続いて不安なときは、あだち耳鼻咽喉科へお越しください。

あだち耳鼻咽喉科では、内視鏡を使った詳しい検査で、のどの痛みの原因を調べることができます。

また、のどの痛み以外の病気がみつかることもありますので、気になる症状がある方はお気軽にあだち耳鼻咽喉科へご相談ください。

ABOUT ME
【執筆・監修】医療法人あだち耳鼻咽喉科 院長 安達一雄
日本耳鼻咽喉科学会 / 専門医・指導医 身体障害者福祉法第15条指定医
補聴器認定医 / 補聴器適合判定医 / 九州大学耳鼻咽喉科 特任助教
国際医療福祉大学非常勤講師