医療法人あだち耳鼻咽喉科

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蓄膿症の治し方は?セルフチェックのポイントや、やってはいけないことも解説

蓄膿症の治し方は?セルフチェックのポイントや、やってはいけないことも解説
Aさん
Aさん
蓄膿症の症状がつらくて治し方を知りたい
Bさん
Bさん
蓄膿症で手術が必要なこともあるの?

蓄膿症を治すには病院での治療が必要です。

でも病院を受診する前に、どんな検査や治療をするのか知っておきたいと思う方も少なくないでしょう。

そこで今回は蓄膿症の治し方について詳しく解説します。

あだち耳鼻咽喉科
あだち耳鼻咽喉科
不快な蓄膿症の症状は早めの受診で改善を図りましょう!

あわせて症状のセルフチェックのポイントや、蓄膿症の疑いがあるときにやってはいけないことなどについても解説していますので、最後まで内容をチェックしてくださいね。

蓄膿症(副鼻腔炎)の治し方、病院での治療法は?

蓄膿症(副鼻腔炎)の治し方、病院での治療法は?

蓄膿症(副鼻腔炎)とは顔の奥にある副鼻腔と呼ばれる空洞に起こる炎症のこと。

炎症によって副鼻腔に溜まった膿がさまざまな不快な症状を引き起こす厄介な病気です。

蓄膿症(副鼻腔炎)は3つのタイプに分類され、それぞれに治療法が異なる点もあります。

蓄膿症3つのタイプ
  • 急性副鼻腔炎
  • 慢性副鼻腔炎
  • 好酸球性副鼻腔炎

それぞれの治療法をご紹介しましょう。

蓄膿症の治し方:急性副鼻腔炎の場合

急性副鼻腔炎は風邪や花粉症、アレルギー性鼻炎などをこじらせ、副鼻腔内が細菌に感染することで発症します。

ごく初期であれば風邪の治りなどとともに改善することもありますが、症状が出たまま放っておくと悪化するおそれがあります。

治療法としては1週間前後、抗生物質を服用する薬物療法が一般的です。あわせて消炎剤を服用することもあります。

また鼻の中に溜まった鼻水などを洗い流す「鼻洗浄」や、霧状の薬液を副鼻腔に吸入する「ネブライザー」など、症状やその程度に合わせて治療します。

蓄膿症の治し方:慢性副鼻腔炎の場合

慢性副鼻腔炎は急性副鼻腔炎が長引き、副鼻腔内に常に膿がたまることでさまざまな症状があらわれる病気です。一般的に「蓄膿症=慢性副鼻腔炎」と呼ばれる理由ですね。

急性副鼻腔炎の症状の原因が細菌感染であることに対し、慢性副鼻腔炎ではたまった膿が症状を引き起こします。

また4週間ほどで改善するケースを急性副鼻腔炎と呼び、3ヶ月以上にわたって症状があるケースを慢性副鼻腔炎と呼びます。

治療法としてはマクロライド系の抗生物質を3ヶ月以上服用し、急性の場合と同じように鼻洗浄やネブライザーも行うことも。

副鼻腔内が炎症を起こし、ポリープのようなものが複数できている(別名、鼻茸ともいいます)場合や、保存的治療法で改善しない場合は内視鏡を用いた外科的手術の検討が必要です。

他にも鼻の中央を仕切っている鼻中隔が極端に曲がっていることが原因(鼻中隔湾曲症)で、治りが悪い場合もあります。

このような場合には鼻中隔をまっすぐに矯正する「鼻中隔矯正術」を行います。

蓄膿症の治し方:好酸球性副鼻腔炎の場合

近年増えているのが「好酸球性副鼻腔炎」です。

原因はウイルスや細菌の感染ではなく、炎症のある部位で好酸球(白血球の一種)が異常に増加していることですが、まだ未解明な部分が多く、理由ははっきりと判明していません。

治療を行っても再発例が多く、根本的な治療法が確立されていないこともあり、国の難病に指定されています。

好酸球性副鼻腔炎の特徴
  • 鼻茸とよばれるポリープができやすい
  • 嗅覚障害
  • 喘息

治療法としてはまず抗生物質を服用しますが、それでもにおいが戻らない、鼻づまりが続くなどの場合には、ステロイドの内服に切り替えます。

しかし鼻茸が大きくなった場合には内視鏡を用いて手術を行い、術後にはステロイドの内服や洗浄などで対応し、様子を見ていきます。

ただし手術を行った場合でも再発するケースが多く、長期的に治療に取り組む必要があります。

蓄膿症(副鼻腔炎)の症状をセルフチェック

蓄膿症(副鼻腔炎)の症状をセルフチェック
蓄膿症にはさまざまな症状がみられます。

「蓄膿症かも……」と思っているなら、以下のような症状がないかチェックしてみましょう。

チェック1:鼻から嫌なにおいがする

鼻の奥から生臭く、魚の腐ったようなにおいがすることがあります。これは副鼻腔に溜まった膿が原因です。膿には壊れた組織や死んだ細菌などが含まれるため、このような腐敗臭が発生します。口臭にも影響することがあり、蓄膿症によくみられる症状です。

チェック2:黄色や緑色のどろっとした鼻水が出る

蓄膿症の大きな特徴として、粘度の高いどろっとした鼻水が挙げられます。症状が進むと、膿の混じった緑色に変化することもあります。

チェック3:のどの奥に鼻水が垂れる

鼻の奥からのどにかけて鼻水が垂れる「後鼻漏」も蓄膿症の特徴的な症状です。不快感があるだけでなく、咳や不眠の原因となることも。また咽頭炎や気管支炎を引き起こすこともあります。

チェック4:鼻づまりがつらい

鼻の粘膜の腫れや炎症によって鼻がつまりやすくなります。症状が進むと副鼻腔と鼻とをつなぐ自然孔に鼻茸ができ、ひどい鼻づまりや息がしにくいなどと感じることもあります。

チェック5:頬や目の周りなどに痛みがある

急性副鼻腔炎に多くみられるのが頬や両目の間、額などの痛みです。慢性副鼻腔炎では痛みは減りますが、ときに額や頭の痛みを感じることがあります。

蓄膿症?風邪?迷ったら耳鼻科を受診

蓄膿症?風邪?迷ったら耳鼻科を受診

風邪と似た症状もあることから、蓄膿症か風邪か迷うこともあるかもしれません。

しかし「たぶん大丈夫だろう」などと考え、放置すると悪化するおそれがあります。

慢性副鼻腔炎に移行する可能性があることはもちろんですが、炎症の場所によっては視力障害や失明のおそれもあり、たとえ急性副鼻腔炎であっても注意が必要です。

また脳に炎症が起こり膿がたまる脳膿瘍や、脳や脊髄をおおう粘膜に炎症が起こる髄膜炎などを併発し、命に関わるおそれもあります。

蓄膿症かもと感じたら、できるだけ早く耳鼻科を受診するよう心がけましょう。

蓄膿症(副鼻腔炎)の治りを悪くする、やってはいけないこと

蓄膿症(副鼻腔炎)の治りを悪くする、やってはいけないこと
蓄膿症をしっかり治すにはまず耳鼻科で適切な治療を受けることが重要です。

しかし以下のような行動は症状の改善を妨げてしまう可能性があります。

症状の悪化を少しでも防ぎ、できるだけ早く改善させるためにも控えるようにしましょう。

喫煙や飲酒

蓄膿症の症状がある場合、喫煙や飲酒は控えるのが賢明です。

喫煙は炎症を悪化させ、飲酒は血管を広げて鼻粘膜の腫れを引き起こし、鼻づまりを悪化させるおそれがあります。

とくに鼻症状がつらい場合には、喫煙や飲酒はできるだけ控えるようにしましょう。

鼻すすり

鼻づまりや鼻水など鼻の症状が多い蓄膿症ですが、できるだけ鼻水はすすらないようにしましょう。

鼻水は鼻やのどに付着した異物を洗い流す役割を持ち、体の外へ排出されなければなりません。

しかし鼻水をすすることで本来排出されるべき細菌やホコリなどの異物が、体内に戻ってしまうことになり、症状の改善を妨げてしまいます。

鼻水はすすらずに、しっかりとかんで排出することが重要です。

また、鼻の症状がつらい場合には家庭での鼻うがい(鼻洗浄)がおすすめです。

0.9%の濃度になるよう食塩を入れた41℃前後のお湯を鼻に直接流し込み、かみきれない鼻水や粘膜に付着した花粉やハウスダストを取り除きます。

正しい方法で行えばツンとした痛みもほとんど感じられません。

最近はドラッグストアなどでも鼻うがいキットが多く販売されており、専用の製品を使うのもおすすめです。

市販の点鼻薬に注意

市販の点鼻薬は使用の際に注意が必要です。

鼻づまりを解消する目的の点鼻薬には血管収縮剤が含まれているものが多く、血管を収縮させることで粘膜の腫れを抑え、症状を改善に導きます。

しかし、これはあくまで一時的な症状の改善にのみ効果を発揮する薬です。

繰り返し服用を続けることで、薬の効き目が落ちるタイミングに症状が悪化する「薬剤性鼻炎」を引き起こしてしまう可能性があります。

鼻づまりを解消する目的の点鼻薬はあくまで対症療法であり、長期にわたって服用するのは避けることが重要なポイントです。

また、市販の製品だけでなく、病院で処方される点鼻薬にも血管収縮剤が含まれているものがあります。

いずれの場合も服用の際には用法や用量を守り、正しく服用するようにしましょう。

まとめ:蓄膿症は早めの対処が肝心!必要に応じて受診を

まとめ:蓄膿症は早めの対処が肝心!必要に応じて受診を
蓄膿症は抗生物質を使った治療法が普及したことで、以前に比べて治りやすくなりました。

また、手術の方法も以前に比べ、内視鏡を用いた痛みが少ない方法が主流となっています。

蓄膿症はいやなにおいや鼻水、鼻づまりなど不快な症状が多く、口臭が原因でコミュニケーションをとりづらいなど、QOL(生活の質)に大きく関わってくるやっかいな病気です。

子どもの発症も多く、中耳炎を併発することもあるため、パパやママは注意して見てあげるようにしたいですね。

まとめ
  • 蓄膿症は薬物療法、もしくは外科的手術によって治療を行う
  • 蓄膿症は悪化すると慢性化や命に関わるおそれもある

蓄膿症かもと感じたらできるだけ早く耳鼻科を受診し、適切な治療を受けることをおすすめします。

ABOUT ME
【執筆・監修】医療法人あだち耳鼻咽喉科 院長 安達一雄
【執筆・監修】医療法人あだち耳鼻咽喉科 院長 安達一雄
日本耳鼻咽喉科学会 / 専門医・指導医 身体障害者福祉法第15条指定医
補聴器認定医 / 補聴器適合判定医 / 九州大学耳鼻咽喉科 特任助教
国際医療福祉大学非常勤講師
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