近年は小さな子どもでも花粉症を発症するケースが増えています。
子どもの鼻水や鼻づまりが長引いていて花粉症を疑っている、未就学児だけど花粉症になることがあるのか知りたい、など感じているパパやママは多いのではないでしょうか。
今回は花粉症が何歳から発症するのか、子どもの花粉症の特徴や検査、治療法などについて解説します。
お子さんが花粉症かもしれない、子どもでも治療できるのか気になるという方は、ぜひ最後までお読みくださいね。
目次
花粉症は何歳から?0歳でも発症する?
花粉症を2~3歳で発症する子どもは今や珍しくありません。
その後、年齢とともに発症する子どもも増える傾向がみられます。
遺伝によってアレルギーの素因を持って生まれている場合もあり、0歳の赤ちゃんでも発症しないとは限りません。
子どもだから花粉症にならないというわけではなく、年齢を問わず発症する可能性があると考えておきましょう。
特に2月から4月のいわゆる花粉症の時期に鼻症状が悪化したり、くしゃみを連発したり、目をかいたりする場合、花粉症を疑う必要があります。
【子どもの花粉症の特徴】こんな症状は花粉症かも?
つづいて子どもの花粉症の特徴について解説します。
基本的な症状は大人の花粉症と変わりませんが、子どもならではの特徴もあります。
子どもは自分で症状を伝えることが難しく、また、スギ花粉症は風邪やインフルエンザのシーズンとも重なるため、パパやママでも子どもの花粉症のサインを見逃してしまうことも少なくないようです。
以下に挙げる子どもの花粉症の特徴を確認し、できるだけ早く子どもを治療へつなげてあげましょう。
鼻すすりや鼻づまりが多い
子どもの花粉症では、大人のように連続するくしゃみや絶え間ない鼻水といった症状はもちろん、鼻づまりや鼻すすりが比較的多く見受けられます。
これは、子どもの鼻腔は小さく、鼻水でつまりやすいためです。
頻繁に鼻をすすっていたり、口をぽかんと開けていたりしていないかチェックしてくださいね。
大人の花粉症では鼻水がさらさらなのに対し、子どもの場合は若干粘っこいこともあります。
また、鼻だけでなく目の症状が強くでる場合も多く見受けられます。
- 目をこする
- 目が充血している
- 目の周りの赤み・むくみ
日中に元気がない
花粉症の症状によって運動や学習などの活動が阻害され、日中あまり元気ややる気が出ないこともあります。
また、鼻水や目のかゆみなどで夜にしっかりと眠れず睡眠不足になり、集中力や注意力が欠けるなど翌日の活動に影響がでることも少なくありません。
さらに睡眠不足が続くと、子どもの心身の発達にも影響を与えてしまいます。
昼間だけでなく、夜睡眠中の子どもの様子にも気を配ってチェックしてあげるようにしたいですね。
中耳炎や副鼻腔炎などを併発しやすい
子どもの花粉症は放置しておくと、滲出性中耳炎や副鼻腔炎・喘息などを招き悪化してしまうことがあります。
とくに子どもは大人に比べて中耳炎や副鼻腔炎などを引き起こしやすく、花粉症によってさらに発症のリスクが高まります。
とくに滲出性中耳炎は難聴を招くケースもあり、放置しておくと危険です。
子どもの花粉症はその他の疾患を引き起こしやすいことを知っておきたいですね。
子どもの花粉症の検査方法
子どもが花粉症かもしれないと思ったら、耳鼻咽喉科もしくは小児科を受診し、診察や検査を受けましょう。
まずは問診を行い、症状の種類や程度、家族のアレルギーの状況などを調べます。
問診の結果、花粉症が疑われる場合には詳細なアレルギー検査を行う場合もあります。
一般的に行われるのは血液検査で、スギだけでなくその他のアレルゲンに対してアレルギーがないか調べることも可能です。
しかし採血を小さな子どもに行うのは難しいことがあるものです。
その場合は「イムファストチェック」と呼ばれる簡易的な検査を行うことがあります。
これは専用の器具で指先を刺し、滲んだ血液で検査する方法です。
痛みもなく、1~2歳の小さな子どもでも受けられます。
ただし、検査できるアレルゲンは猫・ダニ・スギのみで、その他については調べられません。
加えて、耳鼻咽喉科では鼻の粘膜の状態もあわせてチェックし、より詳しく診てもらえます。
ただ、舌下免疫治療といった特殊な治療が5~6歳以上からとなりますので、採血はそれまで待ってもよいかと思います。
子どもの花粉症の治療法
食物アレルギーが年齢とともに治ることが多いのに対し、同じアレルギーである花粉症においては残念ながら成長とともに治る見込みはあまりありません。
つまり、長きにわたって症状と付き合っていかなければならないということです。
とはいえ、適切な治療を受けることで、症状を抑えることは十分に可能です。
子どもは自分で判断が難しいため、周りの大人が気を配り、きちんと治療を受けさせるようにしたいですね。
治療方法は大人の花粉症とほぼ変わりませんが、子どもならではの注意点があります。
診察の際に医師と十分相談した上で、子どもに合った治療方法を選びましょう。
薬による対症療法
花粉症のもっとも一般的な治療法は薬を使った対症療法です。
抗ヒスタミン薬やステロイド点鼻薬などを服用し、花粉症の症状を抑えます。
近年、大人にのみしか使えなかった第二世代の抗ヒスタミン薬に子どもでも使えるものが増え、選択の幅が広がってきています。
また、治療効果をより高めるには、花粉が飛散し始める約2週間ほど前から薬の服用を始めるのが効果的です。
ただし市販薬を医師への相談なしに服用するのは副作用のリスクもあるため、おすすめできません。
大人用に処方されたアレルギーの薬を無断で服用させるのもやめましょう。
舌下免疫療法
舌下免疫療法は花粉症の原因となるアレルゲンを含む治療薬を毎日服用し、徐々に身体をアレルゲンに慣らすことで症状を緩和することが期待できる治療法です。
薬を服用する対症療法に比べて高い効果が期待でき、場合によっては根治できる可能性もあります。
ただし毎日欠かさず治療薬を服用し、3~5年以上続けなければならないため、親子で根気強く治療に取り組む必要があることをあらかじめ知っておきましょう。
以前は12歳以上のみ適用される治療法でしたが、最近11歳以下でも服用可能な薬が開発され、子どもでも可能となりました。
しかし、幼い子どもには服用が難しいことがあるため、だいたい5歳くらいから適用が可能だと考えておくとよいですね。
舌下免疫療法の詳細については次の記事に詳しく書かれていますのでこちらもぜひご覧ください。
レーザー治療
レーザーで鼻の中の粘膜を焼く、レーザー治療という方法もあります。
粘膜をレーザーで焼くことで鼻の中の空間が広がったり、鼻水を排出する腺の活動が弱まったりする効果が期待できます。
とくに鼻づまりに効果的だといわれ、子どもでも7~8歳くらいから適用できる治療法です。
花粉症の子どもは他のアレルギーも発症しやすい
小さいうちに花粉症を発症した子どもは食物アレルギーやアトピー性皮膚炎、喘息など他のアレルギー疾患も発症しやすい傾向にあります。
これらの疾患が時期を別にして次々とあらわれることを「アレルギーマーチ」と呼びます。
花粉症を発症しているお子さんの中には、すでに他のアレルギー疾患を発症している場合もあるでしょう。
大きな原因としては遺伝が挙げられますが、他にも免疫機能の発達度やアレルゲンへの接触回数などさまざまな要因が絡んでいます。
もしかするとパパやママも花粉症だというご家庭もあるのではないでしょうか。
小さいうちに花粉症を発症するなど、アレルギーマーチの可能性がありそうだと感じているなら、できるだけ早く気づき、対応してあげることが大切です。
適切な治療とケア、管理を行うことで、症状はある程度コントロールすることができます。
まとめ:花粉症は赤ちゃんでも発症の可能性!親子で治療に取り組もう
花粉症は小さな子どもにも確実に増えてきています。
今回ご紹介した治療法のほかにも、マスクの着用や家の中に花粉を持ち込まない、こまめに掃除をするといった日常生活における対策も効果的です。
- 子どもの花粉症は2~3歳ごろから増え始める
- 子どもの場合症状をうまく言葉で伝えられないので両親が気づいてあげる必要がある
- 子どもの花粉症の治療は親子で取り組む必要がある
子どもの花粉症は普段の活動にも大きく影響を与えます。
遊びや勉強に心置きなく取り組める環境を作るためにも、親子でしっかり治療に取り組みたいですね。