医療法人あだち耳鼻咽喉科

順番受付

院長コラム

新型コロナウイルスはインフルエンザと比較してどこが違う?どちらも徹底予防を心がけよう

新型コロナウイルスはインフルエンザと比較してどこが違う?どちらも徹底予防を心がけよう

これから本格的なインフルエンザ流行シーズンを迎えるにあたり、気になるのが新型コロナウイルスとの違いではないでしょうか。

そこで今回は両者を比較し、その違いについて解説します。

新型コロナウイルスとインフルエンザには相違点だけでなく共通点もあり、どちらについてもきちんと認識しておく必要があります。

記事の内容を最後までチェックし、新型コロナウイルス・インフルエンザのどちらにもしっかり備えておきましょう!

新型コロナウイルスはインフルエンザと比較してどこが違う?

新型コロナウイルスとインフルエンザはいずれも伝染性の呼吸器疾患です。

しかし新型コロナウイルスはインフルエンザと比較すると異なる点が多く、万が一の感染に備えて、正しく知っておく必要があります

感染力のピークが発症前に訪れる

ウイルスの排出がもっとも多くなり、感染力のピークを迎えるのは、インフルエンザの場合は発症して2〜3日後です。

一方で、新型コロナウイルスの場合は発症1日前や当日だといわれています。

つまり、症状がほとんど見られないうちから周囲へウイルスを拡散してしまうのが新型コロナウイルスの大きな特徴です。

潜伏期間や回復までにかかる期間が長い

インフルエンザと新型コロナウイルスの潜伏期間と回復までにかかる期間を比較すると以下の通りです。

潜伏期間
  • インフルエンザ:感染後1〜4日
  • 新型コロナウイルス感染症:感染後1~14日(平均5.6日)
回復期間
  • インフルエンザ:約7日間
  • 新型コロナウイルス感染症:2~3週間

いずれも新型コロナウイルス感染症の方が期間が長いです。

ただし、感染力のあるウイルスを排出するのは10日以内(インフルエンザの場合は5〜6日ほど)。

回復するまでの間ずっと周囲への感染力があるというわけではありません。

有効なワクチンや治療薬が今のところない

インフルエンザには季節ごとに有効性は異なるもののワクチンがあり、接種によってある程度感染を防ぎ、重症化を引き起こしにくくなる効果があります。

また、治療薬が数多く開発され、もし感染しても服用して、治療が可能です。

しかし新型コロナウイルスは、2020年11月時点で開発中ではありますが、有効なワクチンはありません。

治療薬に関しても、軽症例において確立された治療薬はなく、未だ臨床試験中です。

抗ウイルス薬として「レムデシビル」が承認されましたが、重症者が対象であり、副作用もあるため、広く使える特効薬とはいえません。

現在は咳や発熱に対する対症療法が治療の中心であり、解熱剤や鎮咳薬などの投与や点滴がおこなわれています。

症状が急激に悪化することがある

インフルエンザに感染した場合、その症状は多くが軽症〜中等症ですが、新型コロナウイルスのケースでは重症になりうることがあります。

さらに、症状が急激に悪化する場合も珍しくはなく、比較的元気だった方が一気に症状が進行してしまうことも少なくありません。

その後人工呼吸器や「ECMO(エクモ)」と呼ばれる人工心肺装置による治療が必要になる肺炎へ進行したり、手立てなく亡くなってしまったりするケースも残念ながらみられます。

味覚障害や嗅覚障害を伴うことがある

新型コロナウイルスでは食べ物の味がなくなる味覚障害や、においが感じられなく嗅覚障害を伴うことがあります。

このような症状はインフルエンザではあらわれることは少なく(鼻づまりなどであらわれることはある)、新型コロナウイルスに特徴的な点のひとつです。

感染から回復した後もしばらくの期間、場合によっては数カ月間、味覚障害や嗅覚障害が後遺症として残るケースもみられます。

無症状感染が多い

新型コロナウイルスでは重症度が高くなるケースがある一方で、ほとんど症状の出ない無症状感染が多いのも特徴です。

無感染症状はとくに子どもなどの若年者に多くみられます。

症状はみられなくても、気道にはウイルスが存在し、その量は発症前にピークを迎えるため、無症状のまま周囲へ感染させてしまう懸念があります。

新型コロナウイルスとインフルエンザは共通の症状が多く見極めが難しいことも

ここまで新型コロナウイルスとインフルエンザの相違点についてみてきましたが、症状においては以下のように共通する点が多くあります。

  1. 発熱
  2. 悪寒
  3. 息切れ
  4. 喉の痛み
  5. 鼻水、鼻詰まり
  6. 筋肉痛
  7. 頭痛
  8. 疲労感

いずれの場合も発熱をともなうことが多く、とくにインフルエンザは高熱が出やすい傾向がありますが、それだけでは診断できません。

したがって、症状のみでいずれかを診断するのは医師にも困難です。

新型コロナウイルスかインフルエンザ、どちらに感染したか分からない場合は?

たとえば発熱や咳、息苦しさや強い疲労感などの症状があり、新型コロナウイルスかインフルエンザのどちらに感染したか分からない場合は、自己判断で行動しないようにしましょう。

すぐに病院受診するのではなく、まずは帰国者・接触者相談センターやかかりつけ医、地域の相談窓口に、電話で相談し指示を仰ぎます。

8月には厚生労働省が新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行に備えて方針を示し、各自治体の外来や検査の体制準備を整備が開始されました。

地域の実情に合わせて、多くの医療機関で発熱患者を診療できる体制が整えられています。

新型コロナウイルス・インフルエンザへの徹底的な感染予防対策を

新型コロナウイルス、インフルエンザともにもっとも重要なのは、感染予防対策を徹底することです。

「新しい生活様式」を再確認し、感染のリスクをできるだけゼロに近づけるよう努力しましょう。

手洗い・マスク着用の徹底

新型コロナウイルスに限らずインフルエンザなど感染症予防の基本は、手洗いやマスクの着用などの咳エチケットです。

こまめな手洗いを心がけ、石けんを使って指先や指の間、爪の間まで念入りに洗いましょう。

洗った後は清潔なタオルやペーパータオルで拭いてしっかりと乾かすことも忘れずに。

また、マスクは以下手順で正しく着用しましょう。

  1. 鼻と口の両方を覆う
  2. ゴムひもを耳にかける
  3. 隙間がないよう鼻まで覆う

三密回避

「密閉」・「密接」・「密集」の3つの「密」を避ける三密回避を心がけましょう。

他の人と十分な距離をとる、こまめな換気などを意識し、「ゼロ密」を目指すことが重要です。

繰り返し呼びかけられていることですが、インフルエンザの流行シーズンに突入するにあたり、改めてこれらの点に気をつけておきたいですね。

インフルエンザワクチンの接種

今季、インフルエンザと新型コロナウイルスは同時に流行することが予想され、実際にはインフルエンザの方がより多くの患者さんが発生されると考えられてします。

また、両方に感染するケースもあるのではという懸念も少なくありません。

新型コロナウイルスにはまだ効果的なワクチンはありませんが、インフルエンザにはある程度の予防効果や、重症化を防ぐはたらきを持つワクチンがあります。

とくにこの冬の同時流行に備え、国はワクチンの十分な供給量を確保済みです。

日本感染症学会の提言において、とくに高齢者や妊婦、医療関係者や小さな子どもは接種が強く推奨されるとされており、ワクチン接種をおすすめします。

まとめ

新型コロナウイルスは、同じ伝染性の呼吸器疾患であるインフルエンザと異なる点が多く指摘されていますが、必要以上に恐れず、正しい情報を知って正しく恐れることが重要です。

まとめ
  • 新型コロナウイルスとインフルエンザには異なる点が多い
  • インフルエンザワクチンの接種が推奨される

手洗いやマスク着用に加え、三密回避などの新しい生活様式を意識することで、ある程度の予防は可能だと考えられています。

まずは自分でできる予防・対策を徹底し、万が一の際には自己判断ではなく医療機関へすみやかに相談することを心がけましょう。

ABOUT ME
【執筆・監修】医療法人あだち耳鼻咽喉科 院長 安達一雄
【執筆・監修】医療法人あだち耳鼻咽喉科 院長 安達一雄
日本耳鼻咽喉科学会 / 専門医・指導医 身体障害者福祉法第15条指定医
補聴器認定医 / 補聴器適合判定医 / 九州大学耳鼻咽喉科 特任助教
国際医療福祉大学非常勤講師
こちらの記事もおすすめ!