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いびき・睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群は治せる?症状や重症度・原因に合わせた治療法を紹介

睡眠中に大きないびきをかき、何度も呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群。

早めに治療して治したいと感じている方も多いのではないでしょうか。

しかし睡眠時無呼吸症候群は必ずしも治るものではなく、長い付き合いになる場合がほとんどです。

今回は睡眠時無呼吸症候群が治るのかどうか、どのような治療法があるのかなどについて詳しく解説します。

睡眠時無呼吸症候群を治したい、改善したいと思っている方はぜひ記事を最後までチェックし、正しい対処法を身につけてくださいね。

睡眠時無呼吸症候群は治る?

睡眠時無呼吸症候群は治る場合も、治らない場合もあります。

なぜなら一概に睡眠時無呼吸症候群といっても、その原因や重症度などによって根治療法か対症療法か異なるためです。

根治療法ができるケースなら治る可能性がありますが、対症療法でしか対処できない場合は長い付き合いとなることも。

また、根治治療であっても、場合によっては再発するおそれがあります。

しかし適切な治療法を選択することで、症状はできるだけ抑えられ、コントロールすることが可能です。

治らないからと諦めるのではなく、自分に合った治療法を選ぶことで、睡眠時無呼吸症候群による影響を最小限にとどめられます。

睡眠時無呼吸症候群は症状や重症度、原因に合った治療法で改善へ

つづいて、睡眠時無呼吸症候群における治療法についてチェックしましょう。

睡眠時無呼吸症候群は患者さんによって症状や重症度、原因などが異なり、個々のケースに合わせて治療を行うことが重要です。

また、多くの場合、長い付き合いとなる病気のため主治医と十分に話し合い、コミュニケーションを適切にとることも忘れないようにしたいですね。

睡眠時無呼吸症候群における治療法は、おもに以下の3つの方法が一般的です。

CPAP治療

CPAP(シーパップ)治療とは、睡眠中に気道がふさがらないようにCPAP装置からホース、マスクを介して常に空気を送り続ける治療法です。

欧米や国内で多く普及している治療法で、現段階で睡眠時無呼吸症候群に対してもっとも有効だと考えられています。

ただしCPAP治療は根治させる治療法ではないため、基本的には毎日マスクをつけて寝る必要があります。

特殊なマスクを装着したまま寝る必要があるため、初めのうちは慣れない方も多いようです。

睡眠中にマスクが外れてしまうと効果が得られないため、正しく装着できるよう、慣れるまでは医師へ相談しながらの使用をおすすめします。

マウスピース

軽度の睡眠時無呼吸症候群の症状では、マウスピースを使った治療法が選択されるケースもあります。

マウスピースの装着によって下あごが前に出るよう固定され、上気道を広く保つことができて、いびきや無呼吸を防止します。

また、CPAP治療と同様、根治療法ではなく対症療法であることを理解しておきましょう。

寝るときに装着するだけの手軽さですが、重度の睡眠時無呼吸症候群においては効果が発揮できないので注意してくださいね。

外科的手術

アデノイドや扁桃の肥大など物理的な要因によって上気道が狭くなり、睡眠時無呼吸症候群を引き起こしている場合は摘出手術で改善される場合があります(小児や一部の成人の場合)。

また、UPPPと呼ばれる軟口蓋(のどちんこ)の一部を切除することで空気の通り道を広げ、症状の改善が見込めるケースも。

外科的手術は根治できる可能性がある一方で、リスクや再発のおそれもあるため主治医と十分に話し合い、検討することが重要です。

睡眠時無呼吸症候群は治療だけでなく生活習慣の改善も必要

睡眠時無呼吸症候群は病院で受ける治療だけでなく、並行して普段の生活習慣を改善することも必要です。

以下のような生活習慣について見直してみましょう。

肥満の患者さんは減量を

睡眠時無呼吸症候群は、肥満によって発症しているケースが非常に多くみられます。

体重が増加することでのどや首回りに脂肪が多くつき、睡眠時に上気道をふさいで空気の通り道を狭くするためです。

したがって肥満が原因で睡眠時無呼吸症候群を発症している場合、適正体重に戻すだけで、症状を大きく抑えられる可能性が高くなります。

また、顎が小さいと睡眠時無呼吸症候群になりやすく、骨格によっては少しの体重増加で症状があらわれてしまうケースも。

肥満気味の方は治療の一環として、減量にもしっかり取り組みたいですね。

寝るときは横向きで

仰向けで寝るとのどがふさがり、いびきや無呼吸を引き起こしやすくなるため、のどを広く保ちやすい横向きで寝るのがおすすめです。

軽いいびき程度であれば、横向きで寝るだけで改善される場合がほとんど。

つい仰向けで寝てしまう方は、抱き枕を使うと横向きでも眠りやすくなります。

アルコールの摂取は控えて

アルコールは筋肉をゆるませるため、首やのどまわりにある上気道を支えている筋肉もゆるみ、のどがふさがっていびきや無呼吸を引き起こしやすくなります。

ただでさえ睡眠中は筋肉がゆるみやすく、のどをふさぎがちな状況。さらにアルコールを摂取するとなると、いびきや無呼吸のリスクはアップしてしまいます。

とくに寝酒は控え、アルコールの摂取は抑えることをおすすめします。

鼻症状の改善を

アレルギー性鼻炎や花粉症、副鼻腔炎などによる鼻づまりが睡眠時無呼吸症候群の一因となっているケースも多くみられます。

鼻づまりとともに口呼吸を引き起こしやすく、舌の根元がのどに落ち込み、いびきや無呼吸を引き起こしやすくなってしまうためです。

このような場合、耳鼻咽喉科でネブライザー治療や薬物療法など適切に治療を受けることで、改善に向かいます。

また、鼻づまりの原因が鼻中隔湾曲症(鼻の穴を左右に仕切る鼻中隔が強く曲がっていること)の場合、手術によって改善する場合も少なくありません。

ただし、鼻中隔は思春期ごろまで成長を続けるため、17~18歳以降に手術を行うのが一般的です。

睡眠薬の服用には注意を

睡眠薬の服薬はアルコールと同じように睡眠中に筋肉をゆるませ、のどを狭くしていびきや無呼吸を悪化させることがあります。

自己判断で服用するのはは避け、必要な場合には医師に相談するのをおすすめします。

睡眠時無呼吸症候群は放っておくと命にかかわることも

睡眠時無呼吸症候群は日中に強い眠気を誘発し、集中力を低下させて思わぬ事故につながることがありますが、それと同時に命にかかわるような大きな病気を引き起こすリスクも高いことが明らかとなっています。

重症な睡眠時無呼吸症候群を治療せずに放っておくと、命にかかわる心筋梗塞や脳卒中の将来的なリスクが高まり、さらに健康寿命も脅かすこととなりかねません。

今は症状が軽いから大丈夫などと思わず、できるだけ早く耳鼻咽喉科や睡眠外来、いびき外来などを受診し、適切な治療を受けましょう

いびきが習慣化しているなと感じたらもしかしたら、睡眠時無呼吸症候群の初期段階かもしれません。

次の記事をご覧になって、自分のいびきと生活習慣を見直してみましょう。

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まとめ

睡眠時無呼吸症候群の治療はできるだけ症状を抑え、普段の生活に支障が出ないようコントロールすることが重要です。

治療はもちろんですが、生活習慣の改善も必要。

とくに肥満は睡眠時無呼吸症候群を引き起こす大きな要因のため、減量に取り組むことが症状改善へ大きな一歩となります。

まとめ
  • 睡眠時無呼吸症候群は根気強い治療が必要
  • 睡眠時無呼吸症候群は治療によって症状をコントロールすることが大事
  • 睡眠時無呼吸症候群は症状や重症度、原因に合わせた治療を行う

睡眠時無呼吸症候群は放っておくと、命にかかわるリスクを高めてしまうこともあり、注意が必要です。

睡眠中のいびきや無呼吸が気になったら、できるだけ早く耳鼻咽喉科へ相談することをおすすめします。

ABOUT ME
【執筆・監修】医療法人あだち耳鼻咽喉科 院長 安達一雄
日本耳鼻咽喉科学会 / 専門医・指導医 身体障害者福祉法第15条指定医
補聴器認定医 / 補聴器適合判定医 / 九州大学耳鼻咽喉科 特任助教
国際医療福祉大学非常勤講師