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いびき・睡眠時無呼吸症候群

いびきの原因は疲れ?生活習慣見直しポイントをチェック

疲れているといびきをかきやすい、と感じている方は多いでしょう。

でもそのいびきは本当に疲れだけが原因なのでしょうか?

今回は疲れがいびきを引き起こす理由から疲れによるいびきを緩和する方法までを解説します。

疲れによるいびきが気になる方はこの記事を見れば、疲れたときもいびきをできるだけ抑えることができますよ。

また、治療が必要ないびき「睡眠時無呼吸症候群」についても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

いびきをかくのは疲れが原因?

いびきをかくのにはさまざまな原因があり疲れもそのひとつです。

疲れのバロメーターがいびきだ、と感じている方も多いかもしれませんね。

では、なぜ疲れがいびきを引き起こすのでしょうか?

そもそもいびきは睡眠中に全身の筋肉がゆるむのにともない、喉のまわりの筋肉もゆるみ、重力の影響を受けて空気の通り道である気道が狭くなることで引き起こされます。

狭くなった気道は空気抵抗が大きくなり、呼吸とともに粘膜が振動して音が発生し、いびきとなってしまいます。

そこへ疲れが重なると、筋肉のゆるみがさらに誘発され、よりいびきをかきやすくなってしまう、というわけです。

また、体が疲れていると寝ている間により多くの酸素を取り込もうと、口呼吸になりやすいのも一因。

口呼吸は軟口蓋(のどちんこ)が気道に落ち込みやすくなり、いびきを引き起こしてしまうというわけなんですね。

疲れが原因のいびきを止める方法

それでは疲れが原因のいびきは、どのように対処すれば止まるのでしょうか。

もちろん疲れを溜めないことがもっとも効果的ですが、毎日忙しい私たちにはなかなか難しいですよね。

とはいえ、家族やパートナーなど一緒に寝る人に迷惑をかけたくないもの。

また、ただでさえ疲れている状態において、自分のいびきで大切な睡眠が妨げられるのはできれば避けたいですよね。

そこで以下のような生活習慣の見直しで、軽いいびきであれば改善が期待できることもあります。

横向きで寝る

体を横向きにして寝てみましょう。

体を仰向けにして寝ると、重力によって軟口蓋(のどちんこ)や舌の付け根など気道の周りにある組織が喉の奥に落ち込み、いびきをかきやすくなります。

そこで体を横向きにして寝ると重力の影響を受けにくくなり、いびきをかきにくくなるというわけです。

横向きでねる習慣がないという方は、抱き枕を使うと自然に寝られるのでおすすめ。

また、いびき防止を目的とした横向きに寝るための枕もあり、そういったグッズを活用するのもいいですね。

アルコール摂取を控える

夕食のときや寝る前に、ビールやチューハイなどのお酒を摂取するのはできるだけ控えましょう。

お酒を飲むと筋肉がゆるみやすくなるため、舌の付け根が落ち込みやすくなり気道をふさぎ、いびきをかきやすくなってしまうためです。

また、アルコール成分を分解するのに酸素を多く必要とし、口呼吸となりやすい点も挙げられます。

疲れて帰宅するとついアルコールに頼りたくなるかもしれませんが、いびきが気になるのであれば控えるのがおすすめです。

睡眠薬の服用に注意する

睡眠薬の種類によっては、アルコールと同じように筋肉をゆるませる作用を持つものもあり、気道の閉塞を引き起こす場合もあります。

いびきの状況によっては服用をストップしたり、病院で軽い薬に変更してもらったりするといいでしょう。

いびき防止グッズを使う

市販のいびき防止グッズを使う方法もあります。

いびきの原因となる口呼吸を防ぐテープや鼻に貼って鼻腔を広げるテープなどさまざまなアイテムがあり、ドラッグストアで気軽に購入が可能です。

手術を行う

のどを広げるような手術治療も報告されており、効果がある場合もあるようです。

しかしながら、現時点ではあまり一般的な治療ではないと思われます。

疲れが原因じゃないことも?治療が必要ないびき

ここまで疲れが原因のいびきについて解説してきましたが、実はいびきには何らかの病気やそのリスクが隠れている場合があり、放っておくのは危険なことがあります。

疲れやアルコールなどが原因でたまにかく程度であれば、あまり問題ではないケースがほとんどですが、毎日いびきをかく慢性的なタイプには注意が必要です。

もし以下のような項目に思い当たる節があれば、疲れだけがいびきの原因ではないかもしれません。

  • 習慣的にいびきをかく
  • いびきの音が大きい
  • 呼吸が途中でしばらく止まる
  • 睡眠中によく目が覚める
  • 日中強い眠気を感じることがある
  • 仕事や勉強などの作業効率が落ちてきた
  • 起床時に疲れがとれていないと感じる

もし当てはまる項目が多ければ、「睡眠時無呼吸症候群」の疑いがあり、注意が必要です。

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「もしかして?」と思ったら早めの受診を

睡眠時無呼吸症候群は放っておくと、場合によっては命にかかわるケースもあり、「もしかして?」と感じたら早めの受診をおすすめします。

睡眠時無呼吸症候群によって、眠りが浅くなると日中強い眠気を感じることが増え、作業効率や集中力がガクッと落ちてしまいます。

居眠り運転などで取り返しのつかない事故を引き起こし、その一因ががドライバーの睡眠時無呼吸症候群にあった、というニュースに心当たりがある方は多いでしょう。

また、睡眠時無呼吸症候群は高血圧や脳卒中などのリスクを増大しやすいという側面もあり、できるだけ早めの対処が重要です。

睡眠時無呼吸症候群は男性に多く、とくに肥満体型の方は要注意。のどの周りの脂肪が気道を狭め、いびきの原因となるケースが非常に多くみられます。

また、鼻の中を仕切る軟骨が曲がっている「鼻中隔弯曲」や慢性的な副鼻腔炎など>耳鼻科的な疾患を持っていると、睡眠時無呼吸症候群のリスクがより高くなります。

まとめ

疲れはいびきを引き起こしやすく、眠りをさまたげてしまうこともあります。

自分の大きないびきで目が覚めてしまった経験がある方は多いでしょう。

とくに疲れたと感じる日には今回ご紹介した方法でいびきをかかないよう、工夫してみるのもいいかもしれません。

疲れたときやお酒を飲んだときなどだけ、ときどきかくいびきの場合はとくに問題ありませんが、毎日大きないびきをかいている方は注意が必要。

睡眠時無呼吸症候群などの病気が隠れていたり、リスクが潜んでいたりする場合があります。

まとめ
  • 疲れが原因のいびきは筋肉がゆるみやすくなって引き起こされる
  • 疲れが原因のいびきは睡眠時の工夫などで抑えられることもある
  • 慢性的ないびきは医療機関を受診したほうがよい場合が多い

自分のいびきが疲れなどによる単発性なのか、慢性的なタイプなのか判断が難しい場合は、スマホアプリを使って記録や測定してみるのもおすすめです。

気になる症状がみられる場合には耳鼻咽喉科を受診し相談してみましょう。

ABOUT ME
【執筆・監修】医療法人あだち耳鼻咽喉科 院長 安達一雄
日本耳鼻咽喉科学会 / 専門医・指導医 身体障害者福祉法第15条指定医
補聴器認定医 / 補聴器適合判定医 / 九州大学耳鼻咽喉科 特任助教
国際医療福祉大学非常勤講師